【世界陸上】高野進氏 男子1600メートルリレー 後半失速しない前半200メートルの入り方評価

[ 2022年7月26日 04:00 ]

陸上・世界選手権最終日 ( 2022年7月24日    米オレゴン州ユージン・ヘイワードフィールド )

男子1600メートルリレー決勝を走り終え、記念撮影に応じる(左から)ウォルシュ、川端、佐藤、中島
Photo By 代表撮影

 【高野進の目】前日の予選から冷静にレースできていた。全員が後半に失速することもなく、400メートルで力を出し切れる配分でいけていた。2走の川端は個人の400メートルで失速した反省を生かし、前半はある程度のスピードで対応しつつ、冷静に後半に向けて温存していた。3、4走のウォルシュ、中島も前半200メートルの位置取りがうまかった。勝負どころを瞬間的に判断していかなければいけないが、若い選手たちが冷静にできたのは高く評価できる。

 世界は前半の200メートルが速い。これまで日本は前半の200メートルでついていけず、300メートルから置いていかれるレースが多かった。だから、東京五輪前から前半のスプリント力を強化してきた。その準備プロセスが、ようやく形になった。

 これまでの日本記録はアトランタ五輪のもの。2分台は出さないといけない記録だった。今後は自己ベスト44秒台の選手が2人出てきて、45秒前半の選手でそろえればメダルは狙える。来年の世界選手権、24年パリ五輪、東京での25年世界選手権と3年連続でチャレンジできるので、楽しみだ。画期的なタイムが出ていない400メートルの日本記録(44秒78)も、そろそろ出してもらいたい。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

続きを表示

2022年7月26日のニュース