正代 千秋楽の若隆景戦は圧巻「攻め」の姿勢戻った 二所ノ関親方が名古屋場所を総括

[ 2022年7月26日 04:00 ]

「攻めの姿勢」が戻ってきた正代(撮影・亀井 直樹)
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 コロナ感染などで戦後最多23人の関取が休場した大相撲名古屋場所は平幕・逸ノ城(29=湊部屋)が12勝3敗で初優勝を飾った。荒れる場所の終盤に意地を見せたのが正代(30=時津風部屋)と貴景勝(25=常盤山部屋)の大関2人。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は正代に「攻めの姿勢」が戻ったことを指摘。8月5日からの夏巡業を引っ張っていく気構えで臨むことを熱望した。

 混戦の終盤戦で大関が久しぶりに存在感を示しました。14日目、千秋楽で正代、貴景勝が照ノ富士を連破。ともに2桁勝利を挙げ気を吐きました。

 正代はやっぱり力があります。1勝4敗から、その後9勝1敗と巻き返しました。切り替えられたのは「攻め」の姿勢を出したことでしょう。勝負の世界では重要な要素。土俵際に押し込まれても攻めの形があったから残すことができた。圧巻は千秋楽の若隆景戦。左、右と差して何の迷いもなく圧力をかけて出た。攻撃的だったし、強い正代が戻ってきました。

 もちろん、この成績に満足してはいけません。以前から立ち合いなどの引き出しを増やすべきと指摘していますし、対策を練ってくる相手の上をいかなければ安定した成績は残せません。良かった点、悪かった点を見つめ直すことを忘れないでもらいたい。

 11勝を挙げた貴景勝も千秋楽で力を存分に出し切りました。あの相撲が取れるのですから、もっとやれると期待をしてしまいます。喉輪で一気に出た12日目の錦木戦も良かった。常に2桁を勝てる大関になれば、それが綱への道にもつながります。8月には巡業も再開します。稽古場で若手にどんどん胸を出し汗だくになる。御嶽海を含め3人で引っ張っていくぐらいの気構えを持ってほしい。

 15日間で一番、自分の相撲に徹することができたのが優勝した逸ノ城であり、逆に照ノ富士は残り3日間、らしさがなかった。暑さで調整の難しい名古屋で万全ではなかったと推測します。巡業での調整も注目です。

 平幕の霧馬山は徐々に自分の形ができてきました。千秋楽の千代翔馬戦。切れ味鋭い投げを土俵下から見せていただいた。足腰の強さに加えて力強さも備えた。先々楽しみな存在です。 (元横綱・稀勢の里)

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2022年7月26日のニュース