錦木 自己タイ、3度目の4連勝スタート 先月引退の同期・松鳳山の激励に応えた

[ 2022年7月14日 05:25 ]

大相撲名古屋場所4日目 ( 2022年7月13日    ドルフィンズアリーナ )

碧山(右)を押し出しで破る錦木(撮影・亀井 直樹)
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 錦木が碧山との全勝対決を押し出しで制し、自己最多タイの初日から4連勝とした。19年夏場所以来3年ぶりに幕内1桁の番付で出場する31歳。場所前に引退した7歳違いの同期、元小結・松鳳山の松谷裕也さん(38)からの激励に発奮している。4連勝は一山本、逸ノ城とともに平幕3人になった。

 碧山の引きにとどめを刺す、左の突きが稽古量の証だった。立ち合いの当たり、相手の引き足もあり支えを失った上体が宙を舞う。その間に、碧山の左足が土俵を割った。錦木が17年名古屋場所、19年初場所以来、3度目の4連勝スタートと、存在感を発揮した。

 「4連勝はだいぶ珍しい。体はよく動いている。このまま白星先行で行ければ、と思います」

 好調の一因に夏場所後の先月6日、2年ぶりに17日間解禁された出稽古がある。所属先は名門・伊勢ノ海部屋だが、昨年名古屋場所での春日山親方(元関脇・勢)の引退後、自分以外の関取が不在に。稽古相手を求め、同じ一門の時津風部屋へ日参できるようになった。

 7歳離れた友へ届ける白星になった。同じ06年春場所初土俵の関取最年長・松鳳山が先月引退した。中学卒業後、入門した錦木に対し、松鳳山は駒大から。年齢差はあれ、同期として絆を深めた。東京都江戸川区(当時)の伊勢ノ海部屋に対して、松鳳山が入門した松ケ根部屋は千葉県船橋市。巡業先の稽古でお互いを高め合った。

 松鳳山は三役経験がありながら親方として協会に残る道は選ばず、飲食業に進む予定という。「残ってくれると思っていたので寂しいです」。引退の情報を知り、電話した。「引退会見でも話した“相撲を取るのが怖くなった”と言ってました。そして“お前は頑張れよ”と」。前回4連勝発進の19年初場所は、3日目に鶴竜から初金星を挙げながら5日目から7連敗。負け越して三役昇進も消えた。同じ失敗を繰り返さないよう、友の言葉をかみしめながら自己新の5連勝を目指す。

 ◇錦木 徹也(にしきぎ・てつや)本名=熊谷徹也。1990年(平2)8月25日生まれ、盛岡市出身の31歳。中学卒業後に伊勢ノ海部屋に入門。06年春場所で初土俵。15年夏場所で新十両。16年夏場所で新入幕。19年初場所、鶴竜を破って初金星。最高位は前頭2枚目。1メートル84、172キロ。

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