照ノ富士が横綱の貫禄で3勝目 3大関連破の琴ノ若を完勝で止めた

[ 2022年5月12日 05:30 ]

大相撲夏場所4日目 ( 2022年5月11日    東京・両国国技館 )

琴ノ若(左)を寄り切りで下す照ノ富士(撮影・久冨木 修)       
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 照ノ富士が初日から3大関連破と勢いに乗る平幕・琴ノ若の挑戦を寄り切りで退けた。金星配給なら37年ぶりに、平幕に横綱、大関総なめを許すことになる一番で、横綱の貫禄を見せた。4日目にして翔猿、碧山、一山本と平幕の3人になった勝ちっ放しを1差で追っている。

 教科書通りの横綱相撲だった。照ノ富士が琴ノ若の挑戦を完勝ではね返した。取組後、告白したのは一人横綱のモチベーションだった。

 「勢いのある子とやるのは楽しい。燃えるものがある」

 初日から3大関を連日破った24歳の挑戦。もし照ノ富士まで敗れれば、対戦可能な横綱、大関が平幕に全敗するのは、85年名古屋場所で北尾(後の横綱・双羽黒)に快挙を成し遂げられて以来37年ぶりだった。最後のとりでを託された照ノ富士は立ち合いで踏み込んで右をねじ込んだ。さらに左上手にも手をかけた。胸を合わせて寄るともう琴ノ若の腰が浮いた。

 土俵際も丁寧に膝を折って腰を落とす万全の寄り切り。「こっちも勢いをもらえる。“よしやってやるぞ”という気になる。どんどんそういう子が出てきてほしい」。初対戦の昨年秋場所では同じ右四つから巻き替えを許したが、今回は新鋭に見せ場を与えなかった。30歳の横綱は「自分も若いのでね」と冗舌だ。

 先場所、左膝と右かかとを痛めて、昨年秋場所での昇進後、初めて途中休場した。取組を土俵下から見守った師匠の伊勢ケ浜審判長(元横綱・旭富士)は「初日は良くなかったがこの3日間は普通に取れている」と胸をなで下ろす。

 さらに「連勝が続けば調子は上がる。力士とはそういうもの」と指摘。勝ちっ放しは早くも平幕の3人。3場所ぶりの賜杯へ、確かな足取りで追走する。

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2022年5月12日のニュース