ガイドスキーヤー・藤田佑平さん 声で導く“雪道案内人” 目標は「30年までにメダル」

[ 2022年3月8日 05:30 ]

北京冬季パラリンピック第4日 ノルディックスキー距離 ( 2022年3月7日    国家バイアスロンセンター )

有安諒平(左)をサポートするガイドスキーヤーの藤田佑平さん
Photo By 共同

 【支える人(3)】相棒が、“目”となって道を切り開く。藤田佑平さん(29=スポーツフィールド)は、スキー距離男子視覚障がいクラスの有安諒平(35=東急イーライフデザイン)のガイドを務める。

 昨夏の東京パラリンピックでも話題となったガイド。弱視や全盲の選手とレースに出場し、サポートしながらゴールへ導く。雪上を舞台とする冬季種目では「ガイドスキーヤー」とも呼ばれる。

 藤田さんは中学、高校とクロスカントリースキーで全国大会優勝などの実績があり、18年平昌パラでは距離とバイアスロン代表だった高村和人のガイドを担当。19年から有安とペアを組み、ガイド兼コーチとして指導役も担ってきた。

 何よりも、信頼関係がなければ成り立たない。視覚障がいの選手は、ガイドの声を頼りに粗い雪道を進む。コースを変えるタイミングや、滑走の位置を的確に伝達しなければ、転倒してしまう。「3、2、1、ここ!」。1秒のズレが、勝敗を左右することもある。

 有安は弱視で、視界はドーナツ状に見えているという。「有安さんがどうやって見えているのか、イメージしながらガイドしないといけない」と藤田さん。その配慮と適切な指示に、有安は「凄く頼りにしている」と信頼に一切の曇りもない。

 2人で初の冬の大舞台を滑走し、藤田さんは「次につながる」と手応えを口にした。目標は「30年(の冬季パラ)までにメダルを獲得」。残り2種目もあうんの呼吸で滑走していく。

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2022年3月8日のニュース