服部道子氏 一定の入射角が生み出す萌寧の正確な距離感、素晴らしかった

[ 2021年9月13日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日 ( 2021年9月12日    茨城県 静ヒルズCC=6680ヤード、パー72 )

<日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯最終日>8番、ティーショットを放つ稲見(撮影・西尾 大助)
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 【服部道子の目】優勝した稲見選手は圧倒的な強さでした。特に素晴らしかったのは距離感です。静ヒルズCCはグリーンに起伏がありチャンスにつけるにはピンと同じ面に乗せなければいけない。アイアンは方向性とともに距離感が重要です。また18番のようにフェアウエーが狭く絞られた箇所があるホールでは、広いエリアに落とすためにドライバーでも距離をコントロールする技術が求められます。

 稲見選手のスイングはクラブの入射角が一定で、よどみなく振り切るのが特長です。そのリズムはドライバーからウエッジまで変わりません。だからプレッシャーがかかる場面でも自分の思った距離を打つことができます。正確な距離感がバーディーラッシュにつながったのだと思います。

 コーチを務めた東京五輪で間近で見ていて感じたことですが、大きな舞台でも強い選手が相手でも自分の空気感でプレーできるのが稲見選手の強みです。五輪では海外勢に飛距離で圧倒されることもありましたが、力んでスイングを崩すこともなく球をどこに落とすかだけを考えていました。

 ただ今大会は、自分のプレーに集中するだけでなく、同組の選手のいいプレーを自分のエネルギーに変えているように見えました。そして勝負どころではギアを上げて突き放す。天性の勝負勘も備えた本当に強い選手だと思います。(プロゴルファー)

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2021年9月13日のニュース