男子走り高跳び・戸辺 出場逃したリオの雪辱胸に日本人として49年ぶり決勝進出

[ 2021年7月31日 05:30 ]

東京五輪第8日 陸上男子走り高跳び予選 ( 2021年7月30日    国立競技場 )

 男子走り高跳び予選 2メートル28をクリアする戸辺直人=国立競技場
Photo By 共同

 男子走り高跳び予選では日本記録保持者の戸辺直人(29=JAL)が2メートル28で、日本人として49年ぶりの決勝進出した

 
 戸辺も日本選手としてミュンヘン五輪の冨沢英彦以来、49年ぶりに決勝進出を決めた。予選通過を決定付けた2メートル28を一発で成功させると「試合前に踏み切り足に違和感あって心配だったが決勝決められてホッとしている。決勝は思い切りやるだけ」と破顔した。

 男子マラソンの大迫傑、短距離の飯塚翔太ら陸上界の黄金世代と呼ばれる91年度生まれ。本来ならば戸辺も16年に五輪の舞台を経験しているはずだった。

 5年前、左脚に故障を抱えながら出場したリオ五輪選考会の日本選手権でまさかの6位に終わり、出場権を逃した。大会直前に恩師である筑波大陸上部の元監督・図子浩二監督が52歳の若さで死去したこともあり、心ここにあらずで臨んだことも敗因だった。「五輪に出られないと決まったときはしばらくぼう然自失。漠然と練習していた」と振り返る。

 6年越しの思いを胸に日本記録保持者として出場した東京五輪。「国立競技場に入る前にこみ上げるものがあった。やっとここまで来たと思った」と感慨深げに語った。日本人の最高成績は36年ベルリン五輪で矢田喜美雄の5位。博士号を持ち「ドクター戸辺」と呼ばれる異色のジャンパーは「この試合で金メダル目指して頑張ってきた。思い切りやるだけ」と気合十分だ。

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2021年7月31日のニュース