米国陸連がリレー要員からリチャードソンを除外 全米最速のスプリンターは東京五輪に不参加

[ 2021年7月7日 09:30 ]

リレーメンバーからも外れたリチャードソン(AP)
Photo By AP

 米国陸上連盟は6日、東京五輪の女子400メートル・リレーのメンバーのリストを発表したが、先月の全米選手権の100メートルで10秒86をマークして優勝したシャカリ・リチャードソン(21=ルイジアナ州立大、正確な発音はシャキャーリ)はその中に入らなかった。

 同選手は155センチと小柄なサイズながら、今季は世界ランク2位の10秒72の自己ベストをマーク。オレンジ色の長髪をたなびかせるアスリートとして人気があった。しかし全米選手権後の薬物検査で、世界反ドーピング機関(WADA)が禁止薬物に指定しているマリフアナに陽性反応を示し、7月27日までの1カ月間の出場停止処分を受け入れたことをリチャードソン本人がテレビ番組へのリモート出演で明らかにしていた。

 マリフアナには運動能力と機能向上の効能はなく、ニューヨークなど米国の15州で合法化されているが、WADAでは「健康へのリスクがある」「スポーツ精神に反する」という理由で依然として禁止薬物。2012年のロンドン五輪以降、“非競技期間”に限って違反となる基準値の数値が緩和されていたが、競技直前は対象外となっていた。

 他の薬物と比較すると処分は軽いが、それでも本来ならば3カ月間の出場停止。しかし同選手は全米選手権の1週間前に実母が他界したためにカウンセリングを受けており、その事情を考慮されて1カ月になったと見られている。

 東京五輪の陸上女子400メートル・リレーの予選は8月5日に行われるため、7月27日で処分期間が終了するリチャードソンの出場は100メートル同様に可能だが、米国陸連は残り2枠だったリレー要員としても同選手の出場を認めなかった。

続きを表示

2021年7月7日のニュース