森会長“女性蔑視発言”謝罪会見も墓穴 逆ギレに「老害」自虐…火消しどころか火に油

[ 2021年2月5日 05:30 ]

記者団への取材対応を終え、引き揚げる東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長
Photo By 代表撮影

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)は4日、都内で取材に応じ、前日3日の日本オリンピック委員会(JOC)臨時評議員会での“女性蔑視発言”について謝罪し、撤回すると発表した。しかし、辞任を否定した上に、責任を追及する質問に逆ギレした会見でイメージはさらに悪化。新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれる東京大会へ向け、世論を味方につけることは絶望的となった。

 21分間の謝罪会見は逆ギレで終わった。冒頭は手元のメモを見ながら、前日の発言を「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現。反省して撤回したい」と謝罪したが、辞任の意思を問われた森会長は、あっさり否定。「皆さんが邪魔だと言うなら老害は粗大ごみになったのかもしれないから、掃いてもらえばいいのでは?」と冗談めかした。

 組織委のトップに適任ではないと追及した記者には「承っておきます」と冷笑。発言の真意に迫ろうとする質問を「そういう話はもう聞きたくないよ。面白おかしくしたいから聞いてるんだろ?」と遮り、「みんな怒っている」と指摘されると「だから謙虚に受け止めております。撤回させていただきますと言ってるんです」と打ち切った。組織委員会ではなくJOCの会議での発言だったとの言い訳は見苦しかった。

 火消しどころか、日本のイメージダウンにつながる新たな問題発言で火に油を注いでしまった。“女性蔑視発言”の経緯として「特に山下さんの時はJOCの(男性)理事を削って、女性理事の枠を増やさなくてはいけないということで、大変苦労したという話を聞いた」と山下泰裕会長の名前を出してJOCの内情を暴露した。「各競技団体から女性が多いと会議が長いと聞いているのか」と問われると「そういう話はよく聞いています」と軽率にも認めてしまった。

 日本スポーツ界が男女平等に消極的と受け止められれば世界中から非難され、批判の矛先が東京五輪へ向けられる可能性もある。新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、年明けの世論調査では東京五輪の今夏開催に80%が反対。予定通りの開催準備を進める中で森会長自ら「一番大きな問題は世論」と懸念していたが、問題発言と逆ギレ会見で国民の理解を深めるのは絶望的だ。組織委内部からも「いいかげんにしてほしい」との声も出始めた。世論を味方につける最後のチャンスだった引責辞任を否定したことで、状況はいよいよ厳しくなってきた。

 ◆森 喜朗(もり・よしろう)1937年(昭12)7月14日生まれ、石川県出身の83歳。早大商学部卒業後、産経新聞社、議員秘書を経て69年、衆院議員に初当選。文部相、建設相、通産相を歴任し2000年4月、第85代首相に就任。度重なる失言により支持率は20%前後と低迷し01年4月、退陣。後任の小泉純一郎首相の後ろ盾となった。12年、議員を引退。東京五輪招致成功を受けて14年1月、大会組織委員会の会長に就任した。15年、肺がん手術を受け余命1年の宣告。新薬「オプジーボ」を投与し回復した。05~15年に日本ラグビー協会会長を務め、19年のラグビーワールドカップ日本大会招致に尽力した。

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