日本一曲がらない男 稲森佑貴 ドライバーレッスン【第5回 曲がらないためのグリップ】

[ 2021年2月5日 12:00 ]

グリップの解説をする稲森佑貴プロ(左)
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 第5回のテーマは、曲げないためのグリップです。グリップはスイングの基本中の基本ですが、稲森佑貴プロによれば、握り方だけでなく、クラブのどこを握るのか、握る強さなども曲がらないドライバーショットを打つための大切なポイントになると指摘します。曲がるショットに悩んでいる人は一度、自分の今の握りを見直してみませんか。進行役を日大ゴルフ部OBの萩原菜乃花さんが務めます。

 萩原 稲森プロはクラブを握る際、どのような点に注意していますか?

 稲森 構えたときに、右腕が左腕よりも高い位置にこないように心がけています。右腕が上にくると腕全体が突っ張ってしまい、バックスイングでクラブがスムーズに上がりません。結果的にアウトサイドインのスイング軌道になりがちです。右手をクラブの上から覆い被せるように握ると、右腕が左腕よりも高い位置にくるので、クラブの下から右手を添えて握りましょう。これだと右腕がリラックスした状態で構えられるので、バックスイングでは右肘を畳むことができ、スムーズにクラブが上がります。

 萩原 クラブを握る場合、右手と左手のどちらから握りますか?

 稲森 自分は左手からですね。簡単な手順を説明すると、最初にクラブを右手1本で持ち、フェースが目標を向くように合わせます。クラブヘッドを地面に置いた状態で今度は左手でクラブを持ち、左手甲が若干見えるぐらいに握ります。最後に右手をクラブの下から添え、左手に合わせて完成です。右手からグリップをつくると、インパクトで右肩が少し前に出た形になり、フェース面のヒール寄りでボールをとらえがちなので気をつけましょう。

 萩原 クラブを握る強さは右手と左手で変わりますか?

 稲森 両手とも同じで、誰かにクラブを引っ張られても手から抜けないぐらいの強さです。腕や肩が力むぐらい強く握るのは問題ですが、弱すぎるよりもしっかり目に握ったほうがいいですね。その方がクラブヘッドに力を伝えやすいと思います。反対にグリップが緩いと、スイング中にフェースの向きが変わってしまうので要注意です。

 萩原 クラブのどこを握るといいのでしょう?

 稲森 グリップエンドが左手で隠れるぐらい長く持つことは避けた方がいいでしょう。長く持てばダウンスイングでシャフトがしなる分、ヘッドスピードは上がりますが、ミート率は下がります。ボールを曲げたくないならグリップエンドが見えるぐらいに握るべきです。それでは飛ばないと思うかもしれませんが、短く握ってもフェースの芯に当たればしっかり飛距離を稼げますよ。

 萩原 クラブを短めに握ったほうがミート率は上がるんですね?

 稲森 短く握ったほうが、インパクトでアドレスの位置にヘッドを戻しやすいですからね。長めに握っているとダウンスイングで手首の動きがプラスされてしまうので、なかなかボールをジャストミートできません。短く握っていれば、手首の動きが少ない分、フェース面でしっかりとらえやすくなります。やはり手とクラブには一体感が欲しいので短く握ったほうがいいでしょう。

(取材協力=東京・GMG八王子ゴルフ場)


 ◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年(平6)10月2日生まれ、鹿児島県出身の26歳。父・兼隆さんの影響で6歳でゴルフを始め、鹿児島城西高2年時の11年プロテストに合格。14年に出場7試合で賞金シードを獲得。18年国内最高峰の日本オープンでツアー初V。20年同大会で2勝目。得意クラブは1W。15年から5年連続でフェアウエーキープ率1位。1メートル69、68キロ。

 ◆萩原 菜乃花(はぎわら・なのか) 1996年(平8)3月19日生まれ、神奈川県横浜市出身の24歳。9歳でゴルフを始め日大高、日大時代はゴルフ部に所属。ベストスコアは75。現在はフリーアナウンサーとして、ゴルフ媒体や競輪番組などで活躍中。1メートル57。

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