瀬戸、400M個人メドレー再出発V!不倫騒動の処分明け144日ぶりレース復帰

[ 2021年2月5日 05:30 ]

競泳 ジャパン・オープン第1日 ( 2021年2月4日    東京アクアティクスセンター )

男子400メートル個人メドレー決勝、優勝し小方(左)と肘タッチを交わす瀬戸(撮影・会津 智海)
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 不倫問題による活動停止処分の明けた瀬戸大也(26=TEAM DAIYA)が男子400メートル個人メドレーに出場し、4分12秒57で優勝した。騒動後初となる144日ぶりのレースで6着に終わったライバル萩野公介(26=ブリヂストン)に快勝。レース前後には、お辞儀を繰り返し「おわび」「感謝」を表現した。6日には200メートル個人メドレー、200メートルバタフライに出場する。 

 決勝レース入場時。瀬戸は深々と頭を下げて、スタート台に向かった。5レーンに着くと、プールに向かい再び一礼。優勝後に水から上がった直後もお辞儀した。活動停止処分が明け、144日ぶりの復帰戦。「たくさんの方々にご迷惑を掛けたおわび、競技ができる感謝の2つの気持ちを込めました」と頭を下げた理由を明かし「初めて五輪会場で泳がせていただいて、いろんな気持ちが芽生えました。競技ができるありがたさを感じました」と実感を込めた。

 2レーン隣にはライバル萩野がいた。最初のバタフライで飛び出すと、一度もトップを譲らずにフィニッシュ。自己ベストから6秒48遅れるタイムに「4分10秒を切ることを目指していたのでタイムには満足していないが、前半から積極的に入り、一度も前を譲らずに泳ぎ切れたのは良かった」と振り返った。予選前には萩野とグータッチ。「頑張ろうぜ」と言葉を掛け合い「刺激をもらえた」と心が奮い立った。

 五輪1年延期決定後はモチベーションが低下。活動停止期間中は練習拠点としていたナショナルトレーニングセンターも使えなかった。埼玉県内の高校や辰巳国際水泳場など複数の施設を転々とし、一般利用者に交じり練習を行う日々。体重はベストから5キロ以上重い81キロにまで増えた。本格練習再開は年明け。1月の北島康介杯で復帰する選択肢もあったが「体をつくって五輪会場で復帰したかった」。約3週間の準高地合宿で4キロ近く体を絞り、急ピッチで今大会に間に合わせた。

 不倫問題発覚後、優佳夫人に謝罪。話し合いを繰り返し「また競技をしていく中で人としても成長していく姿を見てほしい」と伝えると「サポートできるところは支えていくよ」との言葉をもらった。「こんな自分を支えてくれると言ってくれている。ありがたい」。5日は夫人の26歳の誕生日。関係修復への願いを込めて全力で泳いだ。

 東京五輪で金メダルを獲る目標はブレていない。既に2種目で代表権を得ており「自分がこれから表に立っていくところは競技しかない。五輪で金メダルを首から下げることで、応援してくださる方々に良い報告、恩返しができるように頑張りたい」と強調。後半失速した持久力低下などブランクの影響も見えたが、TOKYOへの確かな一歩をしるした。 

 《コーチ、タイムは「及第点」》昨年5月からコーチを務める埼玉栄高の同級生、浦瑠一朗氏は復帰戦を終えた瀬戸の状態について「7割くらいは戻った」と語った。4分12秒57の優勝タイムについては「最低限(4分)12秒と話していた」と及第点。それでも終盤の失速もあり「レースを繰り返す体力には不安がある」と課題を口にした。

 【瀬戸の不倫騒動経過】
 ▼20年9月23日 「デイリー新潮」で不倫問題が報じられる。
 ▼同24日 マネジメント会社を通じ「本当に申し訳ありませんでした」と謝罪のコメントを発表した。
 ▼同30日 ANAから所属契約を解除される。東京五輪競泳日本代表主将の辞退を申し入れる。
 ▼同10月6日 日本水連の常務理事会で日本代表主将の辞退が了承される。日本水連は倫理委員会で瀬戸の事情聴取を行い、処分を決める方針を決定。
 ▼同12日 都内の日本水連事務局で約1時間、倫理委員会の事情聴取を受ける。
 ▼同13日 日本水連が「年内の活動停止」などの処分を下す。五輪代表内定は維持。
 ▼21年1月8日 復帰戦としてジャパン・オープンへのエントリーを公表した。所属は暫定措置として、コーチらで構成する「TEAM DAIYA」に。

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