東福岡、激闘の連続も3点差及ばず惜敗…藤田監督「石見さん、仰星さんの思いを背負ってやってくれた」

第100回全国高校ラグビー大会準決勝   東福岡21－24京都成章 （ 2021年1月5日    花園ラグビー場 ）

＜京都成章・東福岡＞決勝進出の逃し涙の西端（中央右）を笑顔で慰める東福岡フィフティーン（撮影・北條　貴史）
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　激闘の連続で準決勝まで進んだ東福岡が力尽きた。3点及ばず4大会連続でベスト4の花園終戦。壁に阻まれた藤田雄一郎監督は「思い通りにいかなかったけど、石見（智翠館）さん、（東海大大阪）仰星さんの思いを背負ってやってくれたと思う」と目を赤くした。2点差で勝った3回戦の石見智翠館戦、後半ロスタイム18分を戦いドローで抽選となった準々決勝の東海大大阪仰星戦も振り返り、選手をねぎらった。

　準々決勝までに許したトライはわずか1と、堅守が持ち味の京都成章に、大会を通じて自信をつけたFWで攻めた。象徴的だったのは10点を追う後半27分。ゴール前でじわじわと押し続け、最後はプロップ本田が追撃のトライを挙げた。

　勝利にこそ結び付かなかったが、FW陣だけで九州共立大、福岡大に出稽古に行って鍛えた成果を発揮。本田は「今までは展開、展開だったけど、FWが通用することが分かったので、力を入れてくれたら。あのトライは（東福岡に）受け継がれていくと思う」と胸を張った。

　昨年はコロナ禍で次々と大会が中止になった。藤田監督は「（選手の）顔を見られなくて不安があった」。昨秋の県大会準決勝、浮羽究真館戦。天理や報徳学園との定期戦では見てきたが、公式戦でモスグリーンのジャージーを着た選手が目の前に並ぶ姿に指揮官は落涙した。「彼らが我慢してくれて、やっとここまで来たな、と。感無量だった」と目に焼き付いている。

　一戦ごとに成長し、泥くさくFWで取り切る今までにない姿が目立った大会だった。「新チームにつながるラグビーをしてくれたと思います」と藤田監督。また強くなって戻ってくる。

〇…3点を追うロスタイムにWTB西端が右サイドを突破。インゴールまで到達すれば逆転だったが、タックルを浴び、タッチラインに出されて無情のノーサイドを聞いた。「やってしまったと思った。勝たせられなかったことが悔しい」と唇をかんだ。今大会の2週間前に肋骨を痛め、心が折れそうになったという。藤田雄一郎監督から「メンバーとして選ばれた思いを持って頑張れ」と声をかけられ、気持ちを奮い立たせながらプレーした。