京都成章、初の決勝だ!“ジャイアン”本橋単独ジャンプで相手ボール強奪「優勝したい」

[ 2021年1月6日 05:30 ]

第100回全国高校ラグビー大会準決勝   京都成章24-21東福岡 ( 2021年1月5日    花園ラグビー場 )

<京都成章・東福岡>前半27分、相手ボールのラインアウトを単独で奪う京都成章・本橋(撮影・北條 貴史)
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 準決勝2試合があり、京都成章(京都)が東福岡(福岡第1)に24―21で競り勝ち、4度目の挑戦で初めて準決勝を突破した。ロック本橋拓馬(3年)が先制トライとラインアウトで貢献。一進一退の接戦で存在感を見せた。9日午後2時5分キックオフの決勝は、連覇を狙う桐蔭学園(神奈川)と対戦する。

 「ジャイアン」と「ゴジラ」のニックネームは、ロック本橋にピッタリだ。1メートル93、113キロの巨体で、京都成章が過去3度もはね返された4強の壁をこじ開けた。

 前半8分、ゴール前のFW戦。ポスト付近の密集から持ち出す。一度のタックルでは止まらない。左へずれ、後ろから仲間に押されながら前進し、インゴールに飛び込んだ。

 「勢いを付けるために、意地でトライを取りに行きました」

 早口でまくし立てるように、4試合連続、今大会4本目のトライを喜んだ。この準決勝を含めて3本が先制トライ。完全にチームの火付け役だ。

 「親に感謝」という高さでも貢献した。同点の前半27分、中央ライン左側でのラインアウト。なんと、持ち上げてもらわずに単独ジャンプで相手ボールを強奪した。この攻守交代の後に、WTB中川のトライが生まれた。12―7で前半を折り返した。「たまたま跳んだら取れました」という芸当は、ジャイアンだからなせる業だ。

 60分を通してラインアウトで東福岡に重圧をかけた。WTB倉田が挙げた後半5分の両チーム最初のトライは、フランカー小山が相手スローイングに競って、ノックオンを奪ったことが起点になった。本橋は「合計3~4時間のミーティングをしました」と、分析の成果を強調した。

 作戦会議は選手中心で進む。ジャイアン本橋は司会進行係。各担当の意見を吸い上げ、まとめ、時に笑いを入れながら、戦術に1本のシンを通す。湯浅泰正監督(56)は、前回4強に進んだ6大会前との違いを語った。

 「あの時は我々が選手にビデオを見せる形でした。そこが違うんですよ。この代は自分たちでできる」

 今年の指揮官の口癖は「考えろ」。自主性を尊重し続けたことが、準々決勝で東海大大阪仰星と壮絶な試合をした東福岡の追い上げにさらされながら、「不思議と落ち着いていられた」という要因になったようだ。

 前日はOBが練習を訪れた。大会前には、保護者が作った歴代主将のメッセージ入りの応援動画を見た。多くの思いを背負ってやっと駒を進めた決勝戦。本橋は力を込める。「ここまで来たんで優勝したい」。日本一まで、さあ、あと一つだ。(倉世古 洋平)

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2021年1月6日のニュース