桃田、3連覇へ王手「全集中」羽根の呼吸“世界一の型”ヘアピンで新鋭圧倒

[ 2020年12月27日 05:30 ]

バドミントン全日本総合選手権・男子シングルス準決勝   桃田2-0田中 ( 2020年12月26日    東京・町田市立総合体育館 )

男子シングルス準決勝でプレーする桃田賢斗(代表撮影)
Photo By 共同

 各種目の準決勝が行われ、シングルスの男子で3連覇を狙う桃田賢斗(26=NTT東日本)が田中湧士(21=日大)を2―0で下し、常山幹太(24=トナミ運輸)とともに決勝に進んだ。女子決勝は奥原希望(25=太陽ホールディングス)と山口茜(23=再春館製薬所)の顔合わせ。混合ダブルスでは渡辺勇大(23)、東野有紗(24)組(日本ユニシス)が4連覇に挑む。

 戦うごとに王者の強さが戻りつつある。19年学生王者で伸び盛りの田中をストレートで退け、桃田は言った。

 「勝つたびに“自分が強くなっているんじゃないか”という新鮮な気持ちが今はある」

 前日の準々決勝は立ち上がりから主導権を握られ、第1ゲームを落としてからの逆転勝ち。「相手の出方を見ながら対応していくスタイルですけど、ちょっと消極的過ぎた」という反省から、この日は通常よりウオーミングアップを入念に行った。「体も心も温めてコートに入った」。攻撃力が高い初対戦の成長株と競り合う展開となったが、要所を抑えてストレート勝ち。得意のヘアピンを相手から仕掛けられて互いにネット際数センチの攻防を繰り返す場面もあり「負けず嫌いな気持ちが出ちゃったかな」と苦笑いで振り返り、余裕を漂わせた。視察に訪れた日本代表の朴柱奉(パクジュボン)ヘッドコーチは「世界一のレベルをキープするイメージはある」と復活に太鼓判を押す。

 約11カ月ぶりの実戦に「不安な部分はまだある」と漏らす桃田だが、宿舎では競技を離れてリラックス。人気漫画を求め「“キングダム”の新刊が出ていたので。ずっと“鬼滅の刃”の最終巻を買えなかったので探しにいって買って」とオンとオフの切り替えも怠らない。「周りの26歳と変わらない生活しています」と打ち明ける。

 課題の実戦勘を徐々に取り戻し、3連覇に向け「全てを出し切りたい」と強調。「“全集中”で頑張りたいと思います」と人気フレーズで必勝を誓った。

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2020年12月27日のニュース