【しぶこ専属・斎藤大介トレーナーと世界を目指そう(番外編)】渋野のように他競技にもトライ

[ 2020年12月24日 05:30 ]

ソフトボール選手時代の渋野日向子の打撃フォーム(提供写真)
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  第1回でも書きましたが、世界最高峰の米女子ツアーは今、二極化しています。(1)いろんなスポーツを経験した上でゴルフを選び、結果を出している選手(2)スポーツ歴はゴルフだけ。運動センスは良いとは言えないのに結果を出している選手――(1)で代表的なのはソフトボールの渋野日向子やアイスホッケーのブルック・ヘンダーソン、(2)は18年全米女子プロで優勝したパク・ソンヒョン。史上最年少でLPGAで優勝したリディア・コ。いずれもメジャーチャンピオンの素晴らしい選手ですが、傾向から言えば、徐々に(1)のアスリートタイプが増えています。(1)の選手の方が身体の強さと器用さを兼ね備えていてコーチの言うことをすぐに吸収できますし、一般的にボールを遠くへ飛ばす能力も高い。今回の連載では(1)の道を進むことをお勧めします。

 新体操やフィギュアスケートのように幼少期から完成度を高めていかなければならない早期特殊化型の競技と違い、ゴルフは野球、サッカーなどと同じいろんなスポーツを経験することで後に恩恵を受けやすい後期特殊化型の競技です。近年、女子ゴルフ界では早期特殊化の傾向も出てはいますが、新体操と同じような状況にはないと考えています。

 ではゴルフはどのような競技と相性がいいのか。その答えを書く前にゴルフという競技の特性について解説します。意外と思う方も多いかもしれませんが、ゴルフは究極の瞬発系スポーツです。スタートしてからホールアウトするまで5時間前後コース内にいますが、打つという動きはほんの一瞬です。エネルギーの使用形式には大きく分けて(1)無酸素(2)無酸素と有酸素の混合(3)有酸素で出すエネルギー――この3パターンがありますが、その割合で一番(1)が大きいのがゴルフです。飛距離だけを競うドラコンをイメージしていただければ分かるでしょう。

 (1)全身のバネを使う(2)道具を使う(3)身体をコントロールする。この3要素を含んだ野球、テニス、ホッケーなどはゴルフとの相性が良好です。逆に長距離走や水泳は相性が良いとは言えないでしょう。

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