【しぶこ専属・斎藤大介トレーナーと世界を目指そう(12)】かめはめ波で連動性を高めよう

[ 2020年12月24日 05:30 ]

<斎藤トレーナー連載12>ツイスト系エクササイズ(斎藤トレーナー提供)
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 前回に引き続き、今回もゴルフ競技独特の動きや技術を専門的に追求していくのに適した<第4段階=男子は16~18歳、女子は14~16歳>で実践してほしいエクササイズを紹介します。12回にわたって紹介した連載は、今回でいったん、区切りとします。(取材協力・コモゴルファーズアカデミー)

 【ツイスト系エクササイズ】
 用意するのはゴムチューブです。写真の渋野日向子選手のように足を左右に開いてスタンスを取り、両手でチューブの一方の端を持ちます。サポート役のもう一人はゴルフで言う飛球線後方に座り、チューブのもう一方の端を持ってください。

 (1)ゴルフで言う飛球線後方と前方、つまりテークバックとインパクト後のフォローの動きをとにかく速く繰り返します。10回できたら2分休憩し、これを2セット行ってください。

 (2)(1)と同じゴルフで言う飛球線後方と前方、つまりテークバックとインパクト後のフォローの動きですが、今度は押すフォローの動きはできるだけ速く、戻す時の引く動きはゆっくりと行ってください。こちらも10回できたら2分休憩し、2セット行ってください。

 このエクササイズをより効果的に行うためのポイントは3点。
 (1)左肩を右股関節に引きつけるようにしてな身体を右にひねり、お尻の右側に力をためていきます。アニメ「ドラゴンボール」の「かめはめ波」のようなイメージです。(写真(1))
 (2)お尻の筋肉を意識しながら右脚で地面を蹴るようにして、その力を利用して右手をできるだけ遠く(左サイド)へ伸ばしていきます。(写真(2))
 (3)実際のゴルフでも手打ちというのがありますが、このエクササイズでも腕だけでチューブを引っ張らないよう、手はなるべく身体の近くを通るように意識してください。
 これは右股関節(左打ちの選手の場合は左股関節)にためた力を体幹から上半身に効率よく伝えることができるようになるためのトレーニングです。股関節の粘りと身体の連動性を高めていくのに大いに役立ちます。

 渋野選手は昨年秋からこのトレーニングに取り組んでいます。この間、段階的にチューブの強度を上げてきたにもかかわらず、動きのスピードは増し、身体の動きの連動性も良くなってきました。ただ、このトレーニングは上半身を鍛えるためのものではなく、あくまでも下半身と上半身の連動性を高めるものです。ジュニアのみなさんが実践する場合、チューブの強度は段階的に上げるにしても弱めに感じるぐらいを基本にしてください。強度の高いチューブを使用すると、腕の力に頼ってしまい、十分な効果が得られなくなってしまいます。

 スイングの切り返し以降、右膝が内側に折れてしまう選手、アドレス時の前傾姿勢を保てない選手、力がクラブにうまく伝わらないと感じている選手には特にお勧めです。

 このツイスト系トレーニングは前回紹介したジャンプ系のエクササイズと違ってすぐに成果が出る訳ではありません。じっくり取り組んでいきましょう。

 ◆斎藤 大介(さいとう・だいすけ)柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の3つの国家資格を持つ。男子ゴルフの片山晋呉にトレーナーとして帯同し、ゴルフに目覚める。14年から海外で研さんを積んで独立。16年から米女子ツアーに拠点を移し、リディア・コ、李晶恩イジョンウンら海外メジャー優勝者のトレーニングを手掛ける。19年11月から渋野日向子を担当。自身のインスタグラム(golf_fit_japan)でも渋野らとのエクササイズ動画を公開。ジュニア向けの育成メニュー作成やオンライン相談も開始。インスタのプロフィルから斎藤トレーナー本人に問い合わせも可能。

 

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