【玉ノ井親方　視点】落ち着いている御嶽海　横綱、大関陣には怖い存在

大相撲7月場所6日目 （ 2020年7月24日    両国国技館 ）

隠岐の海を突き落としで破る御嶽海（上）（撮影・西海　健太郎）
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　今場所の御嶽海は何と言っても動きが良い。相手をよく見て、焦って前に出ていかずに、落ち着いて相撲を取れている。隠岐の海戦も先に左を差されたが、慌てず左でおっつけながらじわじわと圧力をかけ、最後は右から突き落とした。悪い時は上体が浮いてしまうが、今場所は一方的に押し込まれる場面が少ない。押されてもうまく回り込んで、自分のペースに持ち込んでいる。

　以前は膝に不安を抱え、昨年の九州場所では右目の上を負傷し、17場所連続で務めた三役から陥落する憂き目にも遭った。しかし今場所は体に張りがあり、体調も良い感じがする。夏場所が中止となり、自分なりの調整ができた上に、しっかり休養も取れたのが良かったのだろう。先手を取られてもバタバタせず、冷静に相手に対応できているのは心強い。横綱、大関陣にとって、2度の優勝経験がある御嶽海は怖い存在だろう。　（元大関・栃東）