徳永祥尭「めちゃキツい」自粛期間も日本代表は「凄くレベル上がっている」

[ 2020年7月16日 20:15 ]

険しい表情で日本代表のフィットネス練習を行う徳永祥尭
Photo By スポニチ

 ラグビー・トップリーグ(TL)東芝のフランカー徳永祥尭(よしたか)共同主将(28)が16日、東京都府中市のグラウンドで個人練習後に対面取材に応じた。新型コロナウイルスの収束が見えず、ラグビー界にも大きな影響が及ぶ中、「当たり前のことを当たり前にやる」と細心の注意を払いながら、来年1月開幕予定の新シーズンに照準を定めていることを明かした。

 昨年からプロ契約に切り替えた徳永は、現在週6日と高い頻度でクラブハウスを訪れ、個人練習に取り組んでいる。社員選手が屋内ジムやグラウンドを使用する早朝や夕方以降は避けることで、感染リスクを回避。「基本、外出はしない。一番追い込める環境が東芝」と話した。

 W杯を終え、共同主将として初めて臨んだシーズンは、第2節のNTTドコモ戦で肉離れを発症して戦線離脱。リハビリを経て復帰めどが立っていた最中、シーズンの打ち切りが決まった。「日本代表入りへ、アピールのためにも東芝で主将を務め、試合に出たかったのが正直な思い」と不完全燃焼の思いは残ったが、「リハビリ期間が延びたという解釈で、メンタルが落ちることはなかった」と振り返った。

 チーム全体練習の再開は8月下旬以降で、新シーズンも来年1月開幕の見込み。本格的なラグビーシーズンはしばらく先だが、共同主将2季目への準備は着々と重ねている。大学まではリーダー格の経験がなく、「伝え方が下手。人前で話すと緊張して、伝えたいことを伝えられない」という欠点を克服するため、自粛期間は関連の書籍を読み漁った。

 書籍を勧めてもらったのは、NTTコムで長く主将を務める元日本代表の金正奎。「あの人はいろんなところにアンテナを張っているし、吸収する意欲がある」と尊敬する存在。お勧めの3冊を購入し、一気読みしたという。身近なところでは「話しの緩急がうまい。少し場をなごませてから話し出すので、疲れていても話しに集中できる」という日本代表主将のリーチ・マイケルも参考に、リーダーシップを磨いている。

 春シーズンのテストマッチが中止となった日本代表としても、オンラインで活動を継続しているという。ミーティングに加え、昨年のW杯前合宿、大会中を通じて実施していた、メンバーを4グループに分けてのミニゲームやチームビルディングを定期的に実施。「絵を描いて“これは何でしょう?”とか。意思疎通を図っている」ときたる活動再開に備えているようすを明かした。

 トレーニング面でも定期的に代表コーチからメニューが送られてきており、この日も40分間のフィットネスメニューを実施した。「めちゃキツい。ちょっとおかしい」と苦笑いしつつも、「みんな、凄くレベルが上がっている」と強調。年内のテストマッチが実現するか不透明な状況下でも、モチベーションを高く保って秋に備えている。

 東京をはじめ、全国で新型コロナの感染者は再び増加傾向にある。「これ以上、感染が広まってはいけない。地球全体の問題。これ以上、ラグビーができないのもつらい」と徳永。平穏な日常を取り戻すためにも、「責任ある行動をしていきたい」と語気を強めた。

続きを表示

2020年7月16日のニュース