高橋英輝、憧れを追って歩む金ロード 競歩男子20キロ“3番目の男”リオ雪辱へ

[ 2020年5月31日 05:30 ]

2大会連続となる五輪出場へ闘志を燃やす高橋英輝
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 東京五輪男子20キロ競歩代表の3人目に選ばれた16年リオデジャネイロ五輪代表の高橋英輝(27)がスポニチの書面インタビューに応じ、2大会連続となる五輪出場への思いを語った。前回出場のリオ五輪は無念の42位と、一敗地にまみれた経験から4年。長期離脱から男子50キロ競歩代表をつかみ取った先輩、鈴木雄介(32=ともに富士通)の姿に刺激を受ける“みちのくウオーカー”が地元五輪で飛躍する。

 4月17日、日本陸連理事会で空席だった東京五輪男子20キロ競歩代表最後の1枠に自分の名前が挙がった。高橋は「無事に内定を頂けてホッとしました」と同時に「リオの雪辱を果たすべく、挑戦のスタートラインに立ったという気持ちです」と闘志を燃やす。

 リオ五輪経験者でも東京五輪出場は簡単なことではなかった。最終選考会となった3月の全日本競歩能美大会で2位に入り有力候補であるとアピール。すでに代表内定していた2選手と高橋以外に選考大会で3位以内という代表条件を満たした選手はおらず、代表に大きく前進した。「選考に関わる(19年の)ドーハ世界選手権で最善を尽くしたが力及ばなかった。ただ、もう一度代表権を獲りにいこうと覚悟を決められたことが良かった」。過酷なレースを完歩した経験が自身を奮い立たせた。

 あとは吉報を待つのみだったが、新型コロナウイルスの影響で3月下旬に東京五輪1年延期が発表、その後に代表内定が伝えられた。20年に照準を合わせてきた高橋にとって延期は青天のへきれきだったが「(代表入りへ)十分なアピールはできたと思っていたので、選んでもらえることを信じて調整していた。在宅時間が増えたが室内トレーニングに費やしている」と前向きに切り替えている。

 股関節痛による長期離脱から復活した男子50キロ競歩五輪代表の鈴木の姿にリオ五輪で惨敗した自分を重ねる。身近で鈴木が復帰に向けて奮闘する姿を見てきた高橋は言う。「(鈴木は)ここ数年の苦境から脱するため、集中力が凄かった。2年以上試合に出ていない状況から世界選手権金メダルを獲得した。日に日に研ぎ澄まされていく様子を見て、すさまじいと思ったし、良い刺激になった」

 高橋と鈴木は同じ20キロで切磋琢磨(せっさたくま)していたが、20キロの若手が成長してきたこともあって鈴木は50キロへ転向した。かつて鈴木は「想定より若手が伸びてきた。うれしい誤算。満を持して50キロにいける」とうれしそうに語っていた。先輩からバトンを受け取った形の高橋は「(20キロを)託されたという感覚はない」と謙遜するが、静かに闘志は燃やしている。

 19年世界選手権金メダルの山西、大学生ウオーカーの池田ら年下の突き上げも意識しないわけではない。それでも20キロで日本選手権5連覇の自負はある。「自分の力を発揮できればおのずと結果はついてくる。(鈴木とは)ともに向上していきたい」。同じ金メダルという目標に向けて“共闘”は続いていく。

 《50キロ1枠争い来年へ》東京五輪競歩代表は男子50キロが残り1枠を争う形になっている。新型コロナウイルスの影響で4月の日本選手権50キロ競歩(石川・輪島)が中止。今年10月の全日本50キロ競歩高畠大会(山形)も中止となり、代表選考は来年に持ち越された。鈴木、川野の2選手が内定。リオ五輪銅メダルの荒井広宙(32=富士通)らが最後の代表権を目指している。

 ◆高橋 英輝(たかはし・えいき)1992年(平4)11月19日生まれ、岩手県花巻市出身の27歳。花巻北高2年で競歩を始め、岩手大時代から20キロで日本の第一線で活躍。16年リオデジャネイロ五輪は42位。世界選手権は15年から3大会連続で出場し、19年は10位だった。日本選手権は15~19年に5連覇。今年は3位だった。趣味はサッカー観戦。1メートル75、58キロ。

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