国体中止なら「eスポ」単独開催へ プレーも観戦もオンラインで「3密」回避

[ 2020年5月31日 05:30 ]

VR空間でeスポーツの大会を観戦できるシステム「V-RAGE」(株式会社サイバーZ提供)
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 第75回国民体育大会(10月開幕、鹿児島県)で文化プログラムとして採用される「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」は国体が中止された場合でもオンラインで“強行開催”することが30日、分かった。現在、新型コロナウイルスの影響で国体開催自体が危ぶまれており、主催者は6月中に可否を判断する方針。予選から決勝まで「ステイホーム」で完結する3密とは無縁の競技が、唯一の実施となるかもしれない。

 今年の国体開催は不透明な情勢だが、日本eスポーツ連合は独自の対策を用意していた。中止された場合はオンラインで強行開催。同連合の浜村弘一副会長(59)は「eスポーツはオンラインで開催できるのが魅力。どんな形でも中止にさせることは絶対にない」と断言した。

 決戦は自宅だ。多くのスポーツが活動の制限を受ける中、eスポーツも一部予選の実施が困難となり大会の延期を今月14日に発表。だが、浜村副会長は「予選もオンラインで開催することはできる」と説明。感染リスクを高める選手の移動は必要ないため実施に向けてのハードルは他スポーツに比べて高くない。

 観戦環境もウイルスの影響を受けにくい。eスポーツは大画面モニターに向かい、観客が声援を送るパブリックビューイングスタイルが主流。近年はVR(仮想現実)を用い、バーチャル空間で観戦できるeスポーツ大会も開催されている。「さまざまな可能性を探っていく」と強みを最大限活用していく。

 今年はスポーツの代替イベントとして、NBAの八村塁やテニスの錦織圭など、多くのトップアスリートがeスポーツに参加して話題となった。「リアルなスポーツ選手たちが盛り上げてくれたことで、改めてeスポーツの魅力や面白さを理解してくれたと思う。だからこそ今、eスポーツは頑張らないといけない」と浜村副会長。ブームではなく、ムーブメントへ。強行開催の意義を強調した。

 《国体開催へ障壁》緊急事態宣言は解除されたが、全国からの移動や宿泊には感染リスクを伴う。スポーツ庁の鈴木大地長官は「関係者が多い。調整が必要で慎重に協議したい」と話したが、流行の第2波への懸念もあり、安全面から国体の通常開催はハードルが高いとみられる。日本スポーツ協会と日本障がい者スポーツ協会、スポーツ庁と鹿児島県の4者で延期なども含め、6月中に可否を判断する方針だ。

 《VR観戦可能に》国内最大級のeスポーツイベント「RAGE(レイジ)」は今年3月、無観客で行われたeスポーツ大会でVR観戦できるシステムを配信した。専用のゴーグルを着用しアプリを立ち上げると、バーチャル空間に入り口が登場。視聴者は自身の3Dアバターを操作してスタジアムに入場し、実際の試合映像が映し出された大型モニターに声援を送る。主催する株式会社サイバーZの大友真吾取締役総合プロデューサー(36)は「オンラインだからできる新しい観戦の仕方として根付いていけば」と話した。

 ▽eスポーツ 「エレクトロニック・スポーツ(electronic sports)」の略でコンピューターゲームを使った大会。鹿児島国体では昨年の茨城国体に続き、2年連続で文化プログラムとして採用された。国体の主な対象ゲームはサッカーの「ウイニングイレブン」、野球の「実況パワフルプロ野球」、パズルの「ぷよぷよ」。今大会からレーシングの「グランツーリスモ」、パズルRPGの「パズドラ」、アクションRPGの「モンスターストライク」の3タイトルが追加され、計6タイトル10部門で行われる。

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