【羽生結弦の1年 GPファイナル】「めちゃくちゃ悔しい。今に見ておけ、と思っている」

[ 2020年4月5日 05:30 ]

羽生結弦の1年「言葉」と振り返る

GPファイナル 表彰式を終え笑顔で日章旗を手に笑顔(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 

 フィギュアスケート男子で14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(25=ANA)の2019―20年シーズンが終わった。集大成の世界選手権は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で延期という形で突然、幕を閉じたが、今季も名場面が満載だった。序盤の連戦を経て、たどり着いたプログラムとの決別。そして、四大陸選手権で男子初のスーパースラム達成…。駆け抜けたシーズンを印象的なコメントとともに、振り返る。

 ◆GPファイナル(19年12月5日~8日 イタリア・トリノ)
「めちゃくちゃ悔しい。今に見ておけ、と思っている」
「やっぱ、ここで何か爪痕を残したい」

 少年時代にテレビにかぶりついて見た06年トリノ五輪。尊敬するプルシェンコ(ロシア)が金メダルを獲得した会場パラベラが、チェンと雌雄を決する舞台となった。フリーの行われた12月7日は25歳の誕生日。闘志は高まっていた。

 しかし、アクシデントが起こる。同行するはずのジスラン・ブリアン・コーチがパスポート盗難にあい、到着が遅れた。1人での調整を余儀なくされ、SPは終盤の連続トーループが4回転の単発となり、チェンとは12・95点の大差がついた。同コーチ合流後のフリーでは、解禁した大技ルッツを含む4回転4種5本を初成功させたが、その差を埋められなかった。

 チェンに敗れたが、今後の飛躍の伏線となる一幕があった。フリー前日の公式練習で、前人未到の4回転半に挑んだ。試合会場で初披露された3度のジャンプは全て転倒だったが、果敢なチャレンジに自然と拍手がわき起こった。挑戦こそ人生。羽生は再び立ち上がった。

続きを表示

この記事のフォト

2020年4月5日のニュース