伝説の柔道家 岡野功氏が男子日本代表を指導

[ 2019年12月24日 13:32 ]

<柔道男子代表合宿>自ら手本を示して高藤(前列右端)大野(前列右から3人目)ら選手たちを指導した東京五輪金メダリストの岡野功氏(中)(撮影・西海健太郎)
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 柔道の男子日本代表が24日、東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターで強化合宿を公開し、1964年の東京五輪中量級金メダリストの岡野功氏(75)の講義を受けた。

 岡野氏は21歳で迎えた東京五輪で優勝し、翌年にはリオデジャネイロで開催された世界選手権も制覇。67、69年には体重無差別で争われる全日本選手権を制し、中量級では大偉業と言える「3冠」を達成した。

 この日は約1時間半、崩しの技術を指導。75歳とは思えない精力的かつ軽快な動きで、現役選手を相手に自ら見本を見せた。半世紀前と現在の柔道は「ルールも変わり、柔道日も変わり、審判も変わった」と指摘しつつ、「私の指導を聞いて、奥深いと感じてもらえれば」と話した。

 岡野氏を招へいした井上康生監督は、「(来年1月に)76歳にしてあの動き。度肝を抜かれた」と五輪金メダリストの大先輩に感服。同氏の指導内容についても「組手重視の今の柔道だとあまり見られない技術だが、さばきやいなしなど、改めて(柔道の)原点に戻ることができた」と収穫を強調。以前から個人的に指導を受けていたという男子73キロ級の大野将平(旭化成)も「改めて自分のスタイルが間違いではなかった思えた」と話した。

 岡野氏は来年の東京五輪についても言及。「ラグビー(W杯の日本代表)のように、人々に感動を与える試合をしてほしい。その延長に勝利がある。何が何でもかてばいいというのは、いい姿ではない」と語り、“金メダル道”を説いた。

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2019年12月24日のニュース