欧州王者ウェールズ W杯でオーストラリアに32年ぶり勝利 1位通過へ大きく前進

[ 2019年9月29日 18:49 ]

ラグビーW杯1次リーグD組   ウェールズ29―25オーストラリア ( 2019年9月29日    味スタ )

オーストラリア戦でトライを決めたウェールズのSHガレス・デービス(AP)
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 今年の欧州6カ国対抗全勝優勝のウェールズが過去W杯2度制覇のオーストラリアを破って2連勝。D組1位通過へ大きく前進した。W杯でのオーストラリア戦は1987年第1回大会の3位決定戦以来32年ぶりの勝利で、連敗を5でストップした。オーストラリアは1勝1敗。

 ウェールズのFWが出だしから鮮やかな集散を見せた。試合開始のキックオフ後、敵陣でのラックでいきなりターンオーバー。ボールを受けたSOビガーがすかさず正面からドロップゴール(DG)を決め、わずか36秒で3―0と先制した。W杯では87年大会でイタリアのコロドがニュージーランド戦の前半3分にDGを決めたのが試合開始から最も速く、W杯史上最速記録となった。

 ウェールズは前半4分にPGを外したが、その後もスクラムで反則を誘うなど勢いは止まらず、12分には相手ゴール前ラックでアドバンテージが出た場面でビガーが右奥のトライライン上へショートパント。競り勝ったCTBパークスが右隅へ抑え、ゴールも決まって10―0とリードを広げた。

 オーストラリアは前半20分、CTBケレビが敵陣深くまで突破してチャンスをつくり、SOフォーリーが右へキックパス。キャッチしたWTBアシュリークーパーが右中間へトライを決めて5―10とした。元神戸製鋼のアシュリークーパーはW杯4大会でトライを記録し、35歳185日は同国史上最年長のW杯トライとなった。さらに、左タッチ際でボールを受けたケレビがフェイントを入れて突破。ここはビガーのトライセービングタックルに阻まれたが、28分にフォーリーがPGを決めて8―10とした。

 タックルで倒れたビガーが脳しんとうの疑いで交代したウェールズは31分、代わりに入ったSOパッチェルのPGで13―8と5点差に。36分には再びパッチェルがハーフウエー手前からのPGを左ポストに当てながら決め、直後のキックオフからSHガレス・デービスが相手SHゲニアのパスをインターセプト。そのまま走りきって左中間に飛び込み、23―8としてハーフタイムを迎えた。

 後半開始直後には視察に来ていたイングランド代表のエディー・ジョーンズ監督の姿が場内スクリーンに映し出され、両軍のファンからブーイングを浴びる一幕も。後半は3分にウェールズがパッチェルのDGで追加点を挙げたが、オーストラリアも6分にFBハイレットペティがトライを返して15―26と追い上げた。さらにゴール前のラインアウトから徹底して近場勝負を挑み、21分にフランカーのフーパー主将がポスト下へボールをねじ込んで22―26と4点差。27分には敵陣のスクラムで反則を誘い、途中出場のSOトゥームアのPGでついに25―26と1点差に迫った。

 しかし、ウェールズは31分、パッチェルがこの日3本目のPGを決めて29―25。36分にはスタジアムの照明が一部消えて場内がやや暗くなるハプニングがあったが、試合は続行され、ウェールズがそのまま逃げ切った。

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2019年9月29日のニュース