中村、鬼のタックルでピンチ救った 不動の12番 体張り続けBK陣最多11回

[ 2019年9月29日 05:30 ]

ラグビーW杯1リーグA組   日本19―12アイルランド ( 2019年9月28日    エコパ )

鬼の一撃だ!!田中(下)と相手選手にタックルを見舞う中村(右)(撮影・吉田 剛)
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 世界に名をとどろかすパワー軍団を封じた。PGで3点を返して6―12とした前半34分。キックオフ後、自陣でミスが出てボールを奪われた。だが、ここで踏ん張る。相手の展開を、CTB中村亮土とロックのトンプソンが「ダブルタックル」で止めた。

 「みんな負けていなかった。コネクト(連係)も良く、インパクト(当たりの強さ)も良かった」。中村のタックル成功11回は、日本のバックスでは最多。定評ある肉体の強さを生かし、FW並みに体を張った。

 鮮やかな連係だった。前出のタックルは、中村が腹部へ入り、すぐにトンプソンが胸に突き刺さって、仰向け気味に倒した。ジョセフ体制のダブルタックルは、2人が胸付近に当たる「上と上」が主。だが、上背があるアイルランド戦は、腹と胸に当たる「下と上」に変更。これで巨漢の突進を止めた。

 「チームの勝利。サプライズではなく、なるべくしてなった」

 胸を張る中村の転機は、17年秋のフランス遠征だった。招集されたものの、役目は練習相手だった。腐ってもおかしくない境遇で、文字通り体を張った。対戦する強豪フランスを想定し、レギュラー陣に本気でタックル。辛らつな意見もぶつけた。「1%でもチームのためになるのなら」。積極的な姿勢は、ジョセフHCの目に届いた。帝京大4年の13年に初キャップを獲得しながらくすぶっていた男が、壁を破った。

 「チームがよりよくなるために動いた。そこからコーチ陣が気にかけてもらった」。今や不動の「12番」。1メートル78、92キロの弾丸タックラーがジャパンを支える。

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2019年9月29日のニュース