大坂 崖っぷちから底力逆転、ヒヤヒヤすぎる初戦突破

[ 2019年5月30日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第3日 女子シングルス1回戦   大坂2―1シュミエドロバ ( 2019年5月28日    パリ・ローランギャロス )

第3セット、得点が決まり絶叫する大坂(撮影・小海途 良幹)
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 女子シングルス1回戦で、4大大会3連覇を目指す第1シードの大坂なおみ(21=日清食品)は世界ランキング90位のアンナ・シュミエドロバ(24=スロバキア)に0―6、7―6、6―1で逆転勝ちした。30日の2回戦(日本時間午後6時開始)で世界43位のビクトリア・アザレンカ(29=ベラルーシ)と対戦する。29日の男子シングルス2回戦では第7シードの錦織圭(29=日清食品)が世界82位で過去2度の4強入りを誇るジョーウィルフリード・ツォンガ(34=フランス)に逆転勝ちし、5年連続で3回戦に進出した。

 片言の日本語で、大坂が自らのプレーに対する不満を何度もはき出した。

 「なんで決まらないの!」
 「信じられないわ!」

 日本勢として4大大会に初めて第1シードで臨んだが、第1セットを1ゲームも奪えずに失った。第2セットも波に乗れず、相手に2度のサービング・フォー・ザ・マッチ(サーブをキープすれば勝利)を与えたが、意地の連続ブレークで窮地を脱出。タイブレークを制して流れを引き寄せると、第3セットは6―1で圧倒して1時間54分の戦いに終止符を打った。

 「タフな試合だったが、勝ててうれしい」と安堵(あんど)した。凡ミスは相手の3倍近い38回。「今までの人生の中で最も緊張してストレスもあった。誰だって4大大会の1回戦で負けたくないし、自分は特にそう。いつものように楽しめず、名前の横にある(第1シードの)数字を気にしすぎた」と胸の内を明かし「英語だと分かってしまうから、コート上では日本語で愚痴をこぼしている」と苦笑いした。

 センターコートでの事前練習は25日に約30分間だけ。大会会場はコートによって微妙に球の速度が違うため、対応しきれなかった。気温は11度。第2セット途中には雨による約9分の中断もあった。大坂は試合途中にユニホームを長袖に替えるなど体温調整に苦心。難しいコンディションに戸惑った。

 不得意な赤土で苦しみながらも4大大会3連覇へのスタートを切った。2回戦で激突するアザレンカは12、13年と全豪を連覇し、世界1位に就いた実績もある実力者だ。対戦成績は1勝1敗。大坂は「彼女は最近調子が良い。一年で最も難しい試合の一つになるような気がしている」と気を引き締めた。今大会はフランス語で「Yes」を意味する「Oui(ウィ)」をかたどったピアスを着用。次こそ、金色のアクセサリーに負けない輝きを放つ。

 ▼シュミエドロバ (勝つ)チャンスはたくさんあったので負けてつらい。世界ランキング1位に勝つのは簡単じゃない。(大坂は)素晴らしい選手。尊敬しすぎたのかもしれない。

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