宇野 世界初大技で連覇導く「自分はもっと成長し続けないといけない」

[ 2019年4月11日 05:30 ]

SPの曲かけ練習をする宇野昌磨(撮影・小海途 良幹)
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 11日に開幕するフィギュアスケート世界国別対抗戦の公式練習が10日、会場の福岡市マリンメッセ福岡で行われた。男子の宇野昌磨(21=トヨタ自動車)は成功すれば国際スケート連盟(ISU)公認大会では世界初となる3回転半(トリプルアクセル)―4回転トーループをフリーに組み込む可能性を示唆。今季を締めくくる大会を“攻め”の演技で締めくくり、日本代表初の大会連覇へ導く。11日には男女のSPなどが行われる。

 博多の銀盤は、サプライズ満載だった。午前の公式練習、宇野はトリプルアクセル―4回転トーループの超大技に挑んだ。鋭いスピンを生み出すため強力なエネルギーを要する前人未到の超大技。4度目の挑戦でクリーンに着氷すると、見守った関係者から大きな拍手が湧き起こった。

 「(演技の)どこに入れるか決まっていない。やりたいことばかりで構成が定まっていない」と慎重な姿勢を示しながらも「成功率としては入れてもいいのかなと思う」と組み込む可能性を示した。この連続ジャンプは宇野自身、過去に挑戦したことがある。なぜ封印を解こうとするのか。世界選手権で4位に終わっただけに「この試合は自分の成長の第一歩にしたい」と決意をにじませた。

 衝撃は続く。午後の練習ではフリー曲「月光」を流し“超高難度プログラム”に臨んだ。その内訳は2度のフリップを含む4回転4発。基礎点1・1倍の後半に挑んだトリプルアクセル―4回転トーループはコンビネーション史上最高の基礎点19・25点となる。宇野史上、最強の構成で、限界突破を試みる。SP曲も銀メダルを獲得した平昌五輪で滑った四季「冬」に変更する工夫を凝らした。

 失意の世界選手権を経験した21歳は、成長に飢えている。「自分はもっと成長し続けないといけない。上を向いて、もっと先を目指す」。チームで競う世界国別対抗戦。宇野が輝けば、日本は頂点に近づく。

 ▽世界国別対抗戦 各チームは男女各2選手、ペアとアイスダンスはそれぞれ1組で構成。各種目のSP、フリーで、ポイント(男女は1位12点…12位1点、ペアとアイスダンスは1位12点…6位7点)を獲得。SP、フリーごとに区切り、合計得点での順位は換算されない。各出場者(組)の得点はISU公認記録となる。

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