16年に急性白血病、J2新潟・早川がエール「前を向いて希望持って」

[ 2019年2月13日 06:30 ]

競泳・池江璃花子 白血病公表、療養専念へ

完全復活に向け練習する新潟DF早川
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 急性白血病から復帰を目指すJ2新潟DF早川史哉(25)が12日、自身の経験も踏まえ、池江にエールを送った。高知県でキャンプ中だが2部練習の合間に池江が白血病であることをニュースで知った。

 面識はないが、「東京五輪の顔として期待されている選手」と池江のSNSはチェックしていたという。池江が病名を白血病としか明かさなかったため、早川は「病名を確認しないでコメントを出すのはいけない」と慎重に言葉を選びつつ、「少なからず経験者、サッカー選手として発言力があると思うので、協力できることはしたいし何かしら支えてはいきたい。だけど、これは彼女の闘いなので外野が口を出すのはよくない。周りがすぐに復帰して“もう一度活躍を”と求めても、まずは病気と向き合っていろんな思いをしながら進まないといけない」と語った。

 早川自身は新人時代の16年4月から闘病生活を送り、同年11月に骨髄移植手術を受け、選手契約も一時凍結。昨年11月に凍結が解除され、1月からチームとともに練習している。それでも「まだコンディションは上がっていないし、悔しさもあるし情けなさもある」と現状には満足していない。闘病生活を「人の優しさや温かさも感じたけど、冷たさも感じた。これから孤独な闘いに入る」と実感を込めて話す早川が完全復活を果たせば、池江にも大きな励みとなるはず。「つらい時も苦しい時も前を向いて希望を持っていかないと。いい面だけでは乗り越えられないのを経験しているので、周りの人に弱音を吐ける環境だったり、仲間のサポートが絶対に必要」とエールを送っていた。

 ◆早川 史哉(はやかわ・ふみや)1994年(平6)1月12日生まれ、新潟市出身の25歳。小針レオレオサッカー少年団でサッカーを始め、新潟ジュニアユース、同ユースを経て筑波大に進学。U―15、U―16、U―17、U―18日本代表。11年はU―17W杯8強に貢献(5試合出場3得点)。16年に新潟に入団し、リーグ戦3試合に出場。1メートル70、70キロ。血液型B。利き足は右。

 【闘病から復帰したアスリート】

 ☆プロ野球 岩下修一(元オリックス)01年7月に急性骨髄性白血病と発表。抗がん剤治療で4カ月の入院生活を経た後、02年の開幕戦で復帰して18試合に登板。翌03年には2勝を挙げた。日本ハムに移籍した06年限りで引退し現在は日本ハムで打撃投手を務める。

 ☆ラグビー クリスチャン・リアリーファノ(オーストラリア)代表を経験するなど活躍も16年8月に白血病を公表し同年プレーする予定だったサントリーとの契約を解除し治療に専念。17年7月にはスーパーラグビーのブランビーズで実戦復帰し欧州でプレーした後に昨年はトップリーグの豊田自動織機でプレーした。

 ☆水泳 マーテン・ファンデルバイデン(オランダ)19歳の時に白血病と診断されて化学療法と骨髄移植を受けて治療に専念。2年後に復帰すると、08年北京五輪のオープンウオーターで金メダルを獲得した。

 ☆レスリング 渡利璃穏(アイシンAW)初戦敗退に終わった16年リオ五輪後の11月に悪性リンパ腫(血液のがん)を公表。復帰戦となった18年6月の全日本選抜68キロ級で優勝し、10月の世界選手権に出場した。

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