稀勢の里 本調子には程遠く、幕内・竜電に苦戦 一門の親方衆も不安あらわ

[ 2018年6月29日 16:08 ]

稀勢の里(奥)は竜電に攻め込まれる
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 大相撲の二所ノ関一門による連合稽古が29日、名古屋市緑区の鳴戸部屋で始まり、7場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31=田子ノ浦部屋)は西前頭15枚目の竜電(27=高田川部屋)と11番取って5勝4敗だった。本調子には程遠く、名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の出場に不安をのぞかせる内容となった。

 なかなか得意の左四つに持ち込めず、敗れた相撲はいずれも懐に入られて寄り切られた。同じ相手と連続して取る三番稽古では、番付上位の力士が勝って終えることがほとんどだが、この日はもろ差しから寄り切られたところで切り上げた。

 稽古後に「いろいろ試したのか」と問われると「いや、まあ、しっかり」と答え、9番にとどまった稽古については「まあまあ」と話しただけ。すぐに車に乗り込んで引き揚げた。

 師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は「いっぱい課題はある。(左を差せないのは)相手も考えてきているんで。もうちょっと稽古をやらないと。今日の内容では判断できない」と不安を募らせた。尾車親方(元大関・琴風)は「体は落ちていない感じ。体と体をぶつけられる体にはなっている」としながらも「もっと左を使えればいいと見ていた。すぐに左から振るから中に入られる。ちょっと不安」と懸念した。

 鳴戸部屋は今年から新しい宿舎となり、稽古場には土俵が2つある。環境が良いため初めて一門の連合稽古の会場となった。鳴戸親方(元大関・琴欧洲)は稽古後、報道陣を見つけるなり「稀勢の里はなんて言っていた?」と横綱の状態を心配した。そして「何をやりたいのか分からない。中途半端。砂が(体の)どこにも付いていない。横綱だから砂が付いちゃいけないということはない。プライドをのみ込んで、初心に帰ってやるしかない」と話した。

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2018年6月29日のニュース