春日野部屋傷害事件 弟弟子は味覚障害に「人生を返してほしい」

[ 2018年1月25日 05:30 ]

取材に応じる被害者男性
Photo By 共同

 元横綱・日馬富士の傷害事件で揺れている日本相撲協会に、新たな不祥事が判明した。春日野部屋に所属していた力士(23)が弟弟子(22)の顔を殴って傷害罪で起訴され、16年6月に懲役3年、執行猶予4年の有罪判決が確定していたことが24日、分かった。16年3月に理事に就任した春日野親方(元関脇・栃乃和歌)は事件の存在を公表しておらず、その是非が問われそうだ。

 「人生を返してほしい」。大相撲の新弟子になって1年もたたないうちに暴行を受け、引退を余儀なくされた弟弟子は、夢を絶たれた悔しさを切々と語った。事件を公表しなかった春日野部屋にも不信感を抱いたままだ。

 弟弟子だった被害男性の説明などによると、事件のきっかけは元力士が、掃除の仕方を注意するために若手力士を集めたことだ。先輩力士のマッサージ中だった若手も呼びに行った男性に腹を立て、暴行したという。顔は大きく腫れ「すぐに顎の骨が折れているのが分かった」。

 別の先輩力士に連れて行かれたのは、国技館内の診療所と、整体院。ケガは良くならず、自分で探した大学病院で診察を受けた。男性は「手術が必要という診断を親方に伝えたら、“勝手なことをしやがって”と怒られた」と話す。そのまま引退を決断した。

 板前もやってみたかったが、味覚を失ったことで諦めざるを得なかった。「この先どうしたらいいのか分からない。春日野親方は事件を公表し、謝罪してほしい」

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2018年1月25日のニュース