小平、住吉さんに涙の誓い 大学同級生「一番近くでやってきた仲間」

[ 2018年1月25日 05:30 ]

結団式で決意表明する主将の小平(右は旗手代行の高梨)
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 戦友とともに――。来月9日開幕の平昌五輪に出場する日本代表選手団の結団式および壮行会が24日、東京・大田区総合体育館で行われた。スピードスケート短距離金メダル候補で、日本選手団主将の小平奈緒(31=相沢病院)は、20日に天国へ旅立った大学時代の同級生・住吉都さん(享年30)とともに3度目の夢舞台に挑むことを誓った。

 涙をこらえきれなかった。日本選手団の主将として臨んだ会見後、小平は結城匡啓コーチとともに報道陣に対応した。大学4年間をともに歩んだ住吉さんが20日に他界。五輪3週間前に飛び込んできた突然の訃報だった。小平は住吉さんの家族と連絡を取り、23日、静かに眠る友人のもとへ。最後の別れを告げてきた。

 「ご家族の方にも“都の分までスケート頑張って”と言われたので平昌の舞台でしっかりと自分の力を発揮したい」。30歳の早すぎる死。目頭を押さえた指は濡れていた。

 信州大の大学受験。小平は「私なんか、これで落ちたら人生決まっちゃう」と緊張していたが、住吉さんに「もうやるしかない」と励まされた。ともに合格すると、松本市内から大学のある長野市に一緒に通った。「一番近くで高め合いながらスケートを極めてこられた人」。昔を思い出すたび涙があふれる。

 ソチ五輪は一緒に出場できたが、昨年末の代表選考会は明暗が分かれた。それでも今年に入って一緒に食事をするほど競技以外でも仲良し。「一番近くでやってきた仲間がこういった形になってしまって、まだ信じられない思い」。

 06年トリノ五輪の岡崎朋美以来となる女子主将。3度目の夢舞台は重圧だけでなく、悲しみも背負う。結城コーチは「正直スタートラインに着くまでに(小平の精神状態が)どうかなという気持ちもなくはない」と愛弟子を心配。一方で小平は、目を潤ませながら「住吉から学んだことは、スケートに一生懸命になるその姿。何か苦しくなった時に心の支えになってくれる」と天国の友とともに戦う覚悟を決めた。

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2018年1月25日のニュース