錦織、日本人最多7度目8強!第1セット0―6から立て直す

[ 2017年6月6日 05:30 ]

テニス・全仏オープン第9日 ( 2017年6月5日    パリ・ローランギャロス )

逆転で2年ぶりの準々決勝進出を決めガッツポーズの錦織(AP)
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 男子シングルス4回戦で、世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が2年ぶりのベスト8進出を決めた。世界37位のフェルナンド・ベルダスコ(33=スペイン)を0―6、6―4、6―4、6―0で下し、4大大会での8強入りは佐藤次郎、伊達公子を抜いて日本人単独最多となる通算7度目となった。7日に予定される準々決勝では世界1位のアンディ・マリー(30=英国)と対戦する。

 痛みへの不安を勝利への執念で振り払い、ブーイングを大歓声に変えた。第1セットは0―6。試合中に気にしていた右股関節への不安からか、フォアハンドは跳び上がるような不自然なフォーム。緩慢なショットでセットを落とすとブーイングが起こった。

 だが、錦織は試合を捨てなかった。「このままいくと簡単にやられると思った」と第2セットから相手のフォアに対応し、攻撃に転じて息を吹き返した。「ボールがラケットに乗ってくる感覚が徐々に出てきた」と第1セットの動きがウソだったかのようにゲームにのめり込んでいった。白眉だったのは3―3で迎えた第3セットの第7ゲーム。相手のアドバンテージで、スマッシュを切り返しバックハンドのパッシングショットを見舞った。20本のロングラリーを制してチャンスをつなぐと、この日一番の大歓声が会場を包んだ。

 10分以上かかったこのゲームを5本目のブレークポイントで取り切った。スライディングした右足を痛がる場面もあったが、死力を振り絞った魂のブレーク。気おされるように、ここからベルダスコの方が動きが鈍り、最終セットは錦織が6―0で圧倒。4大大会シングルスで日本人最多7度目の8強入りを果たした。

 第4セット途中にはドクターから受け取った薬を飲むなど、体の不安が消えたわけではない。次戦のA・マリーとは昨年はデ杯、全米オープン、ATPツアー・ファイナルと何度も死闘を演じてきた。「もちろんタフな試合になるが、少しずつ自信もついてきている。しっかり回復して次も頑張りたい」と大一番を見据えた。

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2017年6月6日のニュース