神鋼の世界的名手、フーリーが14日サントリー戦で引退 名物大声もラスト

[ 2017年1月12日 17:57 ]

 もうあの大声が聞けない。ラグビー・トップリーグ神戸製鋼のCTBで世界的名選手のジャック・フーリー(33)が14日の最終節サントリー戦(ノエビアスタジアム神戸)を最後に引退する。当日は控えでスタンバイ。メンバー発表があった12日は神戸市内で練習し、時折日本語を交えたいつもの明るい調子で「チームファースト。チームが勝つところを見てほしい」と、ラストマッチへの意気込みを語った。

 南アフリカ代表72キャップの中には、2007年ワールドカップ優勝の軌跡も含まれている。11年にパナソニック、12年から神戸製鋼へ。1メートル90、105キロ。初代スーパーマンを連想させるマスクと肉体美で相手を蹴散らし、13年度にトップリーグトライ王に輝いた。

 強烈なアタックが目立ったが、守りの人でもあった。2人分はある守備範囲の広さで、ピンチを何度も救ってきた。ディフェンスラインを統率する時の声は、練習中は当然として、試合会場でもスタンドまで届くボリュームだった。

 「仲間とのコミュニケーションを意識するようになってから声を出すようになった。小、中学校の頃からかな」

 黒子の心を持ったスターだった。故障で出られない時はウオーターボーイを買って出た。トライは、サポートを怠らずに勤勉に走り続けて奪ったものが何度もあった。

 昨年度から故障がち。引退を決意したのは今季開幕前だった。「疲労回復のスピードで例年との違いを感じた。夏合宿から戻って決断した」。

 「全く違う世界を経験したい」と、欧州からのオファーを蹴って来日。東洋の島国に足を踏み入れたときから「ここで現役を終えるだろうと思っていた」と終の棲家とする思いだった。好きな食べ物は「カツドン、カラアゲ、ヤキニク」。南アに戻った後は、指導者を目指す。泣いても笑っても、14日がラストゲーム。スーパーマンの勇姿をまぶたに焼き付けることをお勧めする。

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2017年1月12日のニュース