【砂村光信の目】決勝にもベストメンバーそろえた東海大仰星の調整力

[ 2016年1月12日 12:28 ]

高校3冠を達成してポーズをとる東海大仰星フィフティーン

第95回全国高校ラグビー大会 東海大仰星37―31桐蔭学園

(1月11日 花園)
 【砂村光信の目】

 東海大仰星のアタックはバックスが狭い間隔で並ぶのが特徴だ。SOがボールを持つとFBもライン参加して数的優位をつくり、CTBが横へ伸びたり縦を突いて崩すもので、かつての神戸製鋼を思わせる。このスタイルを徹底したことで桐蔭学園はそろって前へ出るディフェンスができなくなり、アタック側は常にゲインラインを切りながらボールを継続できた。

 一方のディフェンスは後半、速く前へ出る修正が見られた。前半は相手CTB斉藤の動きを見てしまっていたが、相手に考える時間も与えないほど飛び込んでいった結果、桐蔭学園が止まってボールを受けることになり、ゲインラインの奥で止める形に持ち込んだ。

 東海大仰星で感心したのは、決勝にもベストメンバーをそろえてきたこと。この日も早めに選手を入れ替えたように、ケガ人を出さないチームづくりができていた。今大会から準々決勝以降が中3日となった日程変更を利用して、選手が自宅へ戻って休息できる地の利もあった。疲労をためることなく強豪と戦い続けた分、大会中の伸びしろも大きかったと言える。(元U―23日本代表監督)

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