御嶽海 遠藤ぶっ飛ばした!憧れ2歳先輩とプロ初対決

[ 2016年1月12日 05:30 ]

遠藤を押し倒しで破る御嶽海(右)

大相撲初場所2日目

(1月11日 両国国技館)
 幕内2場所目の西前頭10枚目・御嶽海が東前頭11枚目・遠藤を押し倒して、元アマ横綱対決を制した。新入幕だった昨年の九州場所で8勝したホープは今場所も初日から2連勝と好調だ。平幕・松鳳山は横綱・日馬富士をすくい投げで下し、自身2個目の金星を手に入れた。
【取組結果】

 待望の大一番を前に、御嶽海は冷静に自分の心の状況を把握していた。直前の2番に物言いがつき、土俵下で待たされていた時だ。「集中力が切れそう」。立ち上がると同時に「ウァー」と雄叫びを上げた。

 心をリセットして土俵に立った23歳は立ち合いで遠藤に右を張られたものの、頭からぶつかって前に出た。すかさず右を伸ばして得意の喉輪。遠藤をのけぞらせると左の突きでとどめを刺した。

 今場所ようやくまげを結えるようになった元気いっぱいのホープは、朝に練習したばかりの所作で15本の分厚い懸賞を受け取った。「自分の相撲が取れた。胸を借りられたんでよかった。気分はいいです」。わずか2秒9の完勝劇。ケガに苦しみ、なすすべなく背中から落ちた遠藤との勢いの差は歴然だった。

 2歳上の遠藤を追いかけてきた。初めて遠藤を知ったのは小学生の時。長野出身の御嶽海は「北信越の大会で見た。(石川出身の)遠藤先輩はエリートだったけれど、僕は弱かった」という。対戦は大学生になってから。通算成績は2勝3敗だった。プロ入りを迷っていた時、背中を押したのは遠藤の存在だ。13年秋場所に入幕した遠藤はざんばら髪で旋風を巻き起こしていた。「自分もあそこまでいけるんじゃないかと夢を与えてくれた」。昨年春場所に幕下10枚目格付け出しで初土俵を踏むと、九州場所で遠藤の所要3場所に次ぐ所要4場所で入幕した。目標の先輩とのプロ初対決を制し「(成長したのは)前に出る強さだと思う」と言ってはにかんだ。

 帰り際、国技館を出るとファンからサイン攻めにあった。地元・長野から国技館脇に出店するピザ店「焼きたて屋」からは差し入れのピザももらった。人気や知名度も少しずつ遠藤に近づきつつある。

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2016年1月12日のニュース