小平 ビッグスコア62!怒とうの11バーディー奪首

[ 2015年10月17日 05:30 ]

17番でチップインバーディーを決めた小平

男子ゴルフツアー 日本オープン第2日

(10月16日 兵庫県神戸市 六甲国際ゴルフ倶楽部・東コース=7394ヤード、パー72)
 小平智(26=Admiral)が62のビッグスコアで歴史を塗り替えた。11バーディー、1ボギーで記録の残る1985年以降の日本オープンで、パー72での最少ストロークを2打更新。メンタルトレーニングの成果を発揮、通算11アンダーで単独首位に浮上した。金谷拓実(17=広島国際学院高2年)が66を出し通算9アンダーで2位。同じくアマチュアの池田悠希(15=長崎・崎辺中3年)は通算2オーバーで同大会史上最年少で予選を突破。記録ずくめの一日となった。
【第2R成績】

 新しい扉を小平が勢いよく開けた。自身最多の11バーディーを奪い、叩きだした62のビッグスコア。1985年以降の限定付きとはいえ、憧れの尾崎将司が樹立した日本オープンのパー72での最少ストロークを2打も更新。歴史が刻まれた18番グリーンは興奮に包まれた。「率直にうれしい。自分のプレーに集中してゾーンに入れたかな」

 見せ場は4連続バーディーなどで29をマークした前半だけではなかった。15番でボギーを叩き、同組の金谷に首位を譲った直後、強気な男らしい意地と技を発揮した。16番ティーグラウンドで「アマチュアに負けてられない。あと2つバーディーを取るから」とキャディーに宣言。すると16番はピンまで110ヤードをPSで1・5メートルにつけバーディー。17番パー3はグリーン奥からのチップインバーディーでガッツポーズだ。難易度1位の18番パー4はフェアウエーから第2打を50センチにピタリとつけ3連続バーディー。持ち味のショットに21パットとパッティングもかみ合い、メモリアルな数字を残した。

 賞金王争いができる逸材にもかかわらず、賞金ランクは26位。調子はいいのに、結果が出ないジレンマに悩んでいた時、出合ったのが脳神経外科医の林成之氏の著書「勝負脳の鍛え方」だった。感銘を受け、1カ月前からメンタルトレーニングを依頼。「マイナスなことを考えない。バーディーを取るのは当たり前」という考えに改めた。だからこの日も、前半で日本オープンの9ホールにおける最少ストロークに並んだにもかかわらず、もっと、もっと、と自分にハッパをかけ続けた。

 「歴代の優勝者は凄い人ばかり。名前を刻みたい」

 海外挑戦を夢見る26歳には、優勝すれば5年シードが得られるのも魅力。2位に2打差をつけて臨む大事な3日目。記録の扉を開けた次は、夢の扉に手をかける。

 ≪パー72では新記録≫小平が出したスコア62は記録が残る1985年以降の日本オープンでは最少ストロークタイ記録、パー72では新記録。パー70では02年に佐藤信人が62をマーク。パー72は92年の尾崎将司の64が記録だった。18ホールでの10アンダーは最多アンダー記録。9ホールのスコア29も日本オープンではタイ記録。過去に87年のG・マーシュ(パー36)、89年の出口栄太郎(パー35)がいる。

 ◆小平 智(こだいら・さとし)1989年(平元)9月11日、東京都生まれの26歳。元レッスンプロの父・健一さんの影響で中学で本格的にゴルフを始める。日大時代の10年に下部ツアーで優勝。大学を2年で中退し、プロ転向した。13年の日本ツアー選手権で初優勝。通算2勝。今季の賞金ランクは約2387万円を獲得し、現在、26位。女子プロの古閑美保と交際中。1メートル72、70キロ。

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