初日いきなり“怪物”逸ノ城VS“和製ホープ”遠藤!

[ 2015年1月10日 05:30 ]

昨年12月、汗を流す激しい稽古を行う遠藤(右)と逸ノ城

 日本相撲協会は9日、初場所(11日初日、両国国技館)の取組編成会議を国技館で開き、2日目までの取組を決めた。初日には関脇2場所目で注目の逸ノ城(21=湊部屋)と人気者の幕内・遠藤(24=追手風部屋)の好取組が決定。初顔合わせとなる両者はともに所属部屋で対応し、対照的な表情を浮かべた。5連覇とともに、大鵬を抜いて単独史上最多の優勝33回を目指す横綱・白鵬(29=宮城野部屋)は初日に小結・栃煌山(27=春日野部屋)の挑戦を受ける。

【初日取組】

 新年の幕開けとしては願ってもない好取組だ。ファン待望の「逸ノ城―遠藤」が初日に実現。これまで花相撲や巡業の取組では胸を合わせたことはあったが、本場所では初めての対戦となる。

 番付の序列通りに当てはめると、西関脇の逸ノ城は西前頭3枚目の安美錦と組まれるはず。だが、朝日山審判部副部長(元大関・大受)が「ファンも待っているからいいんじゃないか」と指摘したように、相撲協会が意図的に仕掛けた。今場所は15日間満員御礼が予想されるなどチケット売り上げも好調で、若貴時代のような人気が復活。「怪物」と「和製ホープ」が立役者であることに違いなく、初日対戦は次代を担う2人に対する協会の期待の表れだ。

 両者の反応は対照的だ。逸ノ城は「予想してなかった」とニヤリ。先場所も初日に日馬富士との対戦が組まれただけに「横綱と遠藤のどちらがいい?」と尋ねられると「遠藤の方がやりやすい。初日横綱だったらきつい」と終始和やかなムードの中で本音も出た。一方の遠藤は「誰であろうと関係ない」と淡々とした表情。「これから何度もやっていく。毎回勝てるようにしたいし、どの取組でも負けることは考えない」と真顔だった。

 初対面はともにアマチュア時代だった5年前。鳥取城北高2年の逸ノ城が、日大2年の遠藤がいる稽古場に出向いた。逸ノ城にとっては「周りが“この人は強い”と言ってた。自分は弱かったので稽古はしてない」と憧れの的だったが、遠藤の印象は「大きいな」という程度。しかし、プロに入ると逸ノ城が先に三役昇進。人気面でも怪物はホープに追いついた。

 昨年末に2人は4日間も追手風部屋で稽古し、その際は計42番取って遠藤が22勝で勝ち越し。逸ノ城は「まわしを取っていければ」、遠藤は「前に出ること」とポイントを挙げる。北の湖理事長(元横綱)も「もったいないね。本場所一番の好取組」と期待を懸ける一番には角界の未来が詰まっている。

続きを表示

この記事のフォト

2015年1月10日のニュース