ドカベン香川 男子100キロ超級V、東京五輪エース目指せ

[ 2014年8月5日 05:30 ]

全国高校総体・柔道 男子個人100キロ超級で初優勝を果たした崇徳の香川

 全国高校総合体育大会(インターハイ)第4日は4日、千葉・成田市体育館ほかで行われ、柔道男子100キロ超級で、全日本選手権の最年少勝利記録を持つ香川大吾(17=広島・崇徳3年)が初優勝を果たした。同階級でプロレスラーの小川直也(46)を父に持つ雄勢(18=東京・修徳3年)は3回戦で敗れた。国立代々木競技場では体操の男女決勝が行われ、白井健三(18=岸根3年)は個人総合で89・900点で2位だったが、床運動は3連覇、跳馬で初優勝を飾った。

 巨体の上にちょこんとのったような童顔が一気に緩んだ。開始47秒、相手が仕掛けてきたのを待っていたように体を切り返し、豪快に払い腰を決めた。中3の初対戦時からしのぎを削り、「成長させてくれた」というライバル田中(山口・高川学園)を破っての高校日本一。「田中と“決勝でやろう”と話していたのでうれしい」と話した。

 4月の全日本選手権は田中とともに史上6、7人目の高校生出場。最年少記録は1日だけ誕生日の遅い香川が17歳2カ月20日で保持し最年少勝利記録もつくった。ただ、日本中から注目を浴びるようになると、その後は稽古に身が入らず7月の金鷲旗大会(団体戦)では16強止まり。加美富章監督から「全日本に出たプライドがあるかもしれないが、おまえはもうゼロだよ」と喝を食らわされ目が覚めた。香川は「浮かれていたのが吹っ切れた」と振り返った。

 08年北京五輪金メダルの石井慧以来、エースが途絶えて久しい最重量級。加美監督は「どこに行っても通用する柔道。すなわち、しっかり組む柔道」を入学時から叩き込んだ。世界に出れば、1メートル80、135キロの香川でさえ100キロ超級では平均以下。同じ高校生相手でもサイズありきの柔道はさせず、組んで、仕掛けて、投げてを繰り返させ、大きく花が開いた。

 野球部の同級生からは、名前が元プロ野球選手の香川伸行氏と同じ名字であることから「ドカベン」の愛称で呼ばれる。特大弁当4個を毎日平らげるという17歳は「もちろん20年東京五輪は出たい」と目を輝かせた。

 ◆香川 大吾(かがわ・だいご)1997年(平9)2月9日、広島県広島市生まれの17歳。兄の影響で6歳から広島・可部道場で柔道を始め、小6で全国少年柔道大会に出場。昨年の全国高校総体では団体戦で6試合オール一本勝ちで優勝に貢献。今年3月の全国高校柔道では無差別級で3位。同4月の全日本選手権では17歳2カ月20日で史上最年少出場および同勝利の記録をつくった。趣味は海釣り。1メートル80、135キロ。

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