室伏 前人未到20連覇達成!“貫禄”全投てき70メートル超

[ 2014年6月8日 05:30 ]

男子ハンマー投げで20連覇を達成し、笑顔の室伏広治

陸上日本選手権第2日

(6月7日 福島・とうほう・みんなのスタジアム)
 鉄人が金字塔を打ち立てた。今秋のアジア大会(韓国・インチョン)の代表選考会を兼ねて行われ、男子ハンマー投げで04年アテネ五輪金メダリストの室伏広治(39=ミズノ)が73メートル93で優勝。前人未到の20連覇を達成した。男子100メートル予選では桐生祥秀(18=東洋大)が自己4番目の10秒15をマークし、全体トップで8日の準決勝に進出。女子200メートルは福島千里(25=北海道ハイテクAC)が23秒79で制して、4連覇を達成した。

 20連勝に満面の笑みがこぼれた。「長きにわたって競技を続けてこられたことは多くのサポートがあってのこと。進むにつれて(勝つことは)難しくなる。今回、20という区切りを達成できて良かった」。回転中に雨が目に入らないように赤いヘアバンドを巻き、全ての投てきで70メートルを超える安定感を見せつけた。偉業達成に「トレーニングや休息の取り方。自分の体の声を聞くことが大事」と秘けつを明かした。

 二足のわらじをプラスに捉える。20年東京五輪・パラリンピック組織委員会の理事に現役アスリートとして就任。大会2日前に都内で理事会に出席した。競技に専念できなくても「これまでも研究と競技の2つをやることで相乗効果があった」と両立に不安はない。「20年まで全てが予行演習。どうすれば観客が楽しめるのか考えるようになった」と話し、雨の降る中、マイクパフォーマンスで福島の観客を喜ばせた。

 日本陸連のアジア大会派遣標準記録B(76メートル07)は既に突破。今大会の優勝と合わせて代表入りの条件は満たしているが「(出場は)JOCと陸連と協議したい」と打ち明ける。近年、国際舞台では世界大会に照準を合わせている室伏がアジア大会に出場する可能性は低い。しかし、2年後のリオデジャネイロ五輪については「体調次第」と5度目の五輪出場に含みを持たせた。父・重信氏が70年にハンマー投げで初優勝してから45年間で、円盤投げの妹・由佳さんを含めた室伏家の日本選手権優勝は49回目。節目を迎える1年後、そして次回五輪へ、“超人伝説”はまだ終わらない。 

 ▼アジア大会代表選考 個人種目の枠はそれぞれ2。日本陸連が定める派遣設定記録Aを13年4月1日以降にクリアしている選手は、日本選手権8位以内で決定。他に対象になるのは、日本選手権6位以内、織田記念国際などの日本GPシリーズの日本人2位以内、世界リレー大会の代表で日本選手権8位以内の選手。その中から(1)派遣設定記録Bをクリア(2)強化育成部からの推薦(3)本大会でのメダルの期待の順に選考される。

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