日本女子 黒星も勝ち点1ゲット!4大会ぶり五輪王手

[ 2013年2月10日 06:00 ]

<日本・スロバキア>第2ピリオド、態勢を崩しながらパスを出す坂上(左)と大沢

女子アイスホッケー・ソチ五輪最終予選第2日

(2月8日 スロバキア・ポプラト)
 日本がソチ五輪切符に王手をかけた。世界ランキング11位の日本は同7位の地元スロバキアと0―0で延長、ゲームウイニングショット(GWS)の末に0―1で敗れたが、貴重な勝ち点1を獲得して勝ち点4となった。10日は勝ち点5で首位に立った同19位のデンマークと対戦し、勝者がC組1位でソチ五輪出場権を得る。98年長野大会以来、4大会ぶり2回目の出場を目指し、日本女子が決戦に挑む。

 悲願の五輪切符まであと1勝と迫った。試合に敗れたが、延長に突入した時点で勝ち点1をゲット。選手たちは試合後、すぐに笑顔を取り戻した。デンマークが勝ち点5に伸ばしていたため、10日のデンマーク戦が日本勢一番乗りとなる五輪切符を懸けた戦いとなることが決定。主将の大沢は「何が何でも勝ちに行く」と力を込めた。

 0―3から逆転勝ちした7日のノルウェー戦の勢いそのままに、スピードある攻撃で攻めた。浴びせたシュートは62―15とスロバキアの約4倍。だが、1メートル78の守護神トムツィコワからゴールを奪うことができなかった。最大のピンチは第2ピリオド終盤。久保と竹内が反則を取られて一時退場となった。GKを除けば3対5。圧倒的不利だったが、第3ピリオドにかけての1分36秒を守り抜いた。この奮闘が勝ち点1へとつながった。

 決戦の相手となるデンマークは世界ランキング19位。日本より格下だが、1次予選を勝ち抜き最終予選に滑り込んできた。日本連盟の建部事務局長は「アイスホッケーでは急激に強くなることがあるので油断はできない」と警戒感を示した。

 女子アイスホッケーが初採用となった98年長野五輪は開催国枠での出場だったが、その後は苦しい道のりをたどった。02年ソルトレークシティー大会の最終予選は勝ち点1差で涙をのみ、06年トリノ大会の最終予選は引き分けでも決まった最終戦で1点差で敗戦。10年バンクーバー最終予選は勝てば決まる中国戦で0―2で敗れた。だが、飯塚監督は「選手が自信を持っているのが前回と違う」と手応えをつかんでいる。過去に2度、悔し涙を流した30歳の久保は笑顔で言い切った。「チームが一つになっている。最終戦でゴールを決める自信がある」と。自力で初の出場権獲得へ、4度目の正直を実らせる。

 ▽GWS(ゲームウイニングショット) 延長戦でも勝負がつかなかった時に行われる方式。ペナルティーショットとほぼ同じ要領で、両チーム3回のチャンスが与えられる。3回で決めたゴールが多い方に1点が与えられ勝利となる。そのため、GWSが行われた試合は必ず1点差となる。GWSの参加選手、順番は各チームの申告で行われる。3回のチャンスで同じゴール数の場合は1人ずつのサドンデス方式。この場合はゴールキーパーを除き、最初の3回に出場した選手は1度だけ再出場できる。

 ▽女子アイスホッケー・ルール 試合時間は20分×3。出場選手はGKを含め6人。FW3人、DF2人が1組(セット)になってプレー。消耗が激しいため選手は50秒ほどでセットで交代する。交代は何度でも自由。ルールは男子とほぼ同じだが、女子はボディーチェック禁止。3ピリオドで勝負が決まらない場合は5分間の延長。

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