レイブンズ12年ぶり頂点!停電で流れ失うも…守備陣踏ん張る

[ 2013年2月5日 06:00 ]

試合中にスタジアムが停電し、復旧を待つ49ersの選手たち

第47回スーパーボウル レイブンズ 34-31 49ers

(2月3日 ルイジアナ州ニューオーリンズ=メルセデス・ベンツ・スーパードーム)
 47回目を迎えたスーパーボウルが大ハプニングに見舞われた。第3Qに停電で試合が34分間も中断。一時22点のリードを奪ったレイブンズがこれを境にして49ersに2点差まで詰め寄られ“闇”が勢いをかき消す展開となった。それでもMVPに輝いたQBジョー・フラッコ(28)と、これが現役最後の試合となったLBレイ・ルイス(37)率いる守備陣が踏ん張って頂点に到達。史上最長となった4時間14分の激闘を制し、12年ぶり2度目の王座を獲得した。

 後半開始のキックオフをリターンしたJ・ジョーンズが108ヤードを疾走して鮮やかなTD。スコアは28―6となってレイブンズの選手は活気づいた。ところがこの直後、49ersが攻撃に入ったところでスーパードームから光が消えた。試合を中継していたCBSの音声は途絶え、スタジアムのエレベーターがストップ。中に人が閉じ込められたために消防車が出動し連邦捜査局(FBI)はテロの可能性もあると見て捜査に乗り出した。

 結局「配電盤の異常」としてスタジアム関係者とNFL側は謝罪したが、レ軍RBのリーチは「ビヨンセのハーフタイムショーで電気を使いすぎたのでは?」と発言。勢いに乗っていただけに招かれざる中断となった。

 スーパーボウルの歴史上、10点以上リードしたチームが負けたことは一度もない。データ的にもレ軍が有利だったが、中断を機に49ersの猛攻が始まった。22点差は第4Q5分すぎに2点差まで縮まり、前半で3つのTDパスを通したフラッコも「彼らを止める方法はもうないかもしれない」と弱気になっていた。それでも、土壇場でCBのJ・スミスがWRクラブツリーへのパスをエンドゾーン内で阻止して49ersの猛攻を寸断。このあと意図的にセーフティーを献上して時間をつぶし“闇の支配”からなんとか逃れた。

 49ersの実弟ジム・ハーボー監督(49)との対決を制したジョン・ハーボー監督(50)は「格好のいい試合ではないし、完全な内容でもない。でもそれがわれわれの姿だ」と語ったが、疲労感も加わって表情は複雑。スーパーボウル史上初の兄弟監督対決は突如出現した暗闇によって勝者と敗者が入れ替わろうとしていたが、冷静さを失わなかった兄が最後にチームを光のある方に引き戻した。

 ≪大会最長TD≫レ軍J・ジョーンズの108ヤードはキックオフ・リターンTDの大会最長記録。49ersキャパニックの15ヤードTDランはQBとしては最長。

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