錦織、修造超えに王手!日本人初ツアー2勝目へ

[ 2012年10月7日 06:00 ]

決勝進出を決め喜びを噛みしめる錦織

男子テニス 楽天ジャパン・オープン第6日

(10月6日 東京有明テニスの森公園)
 シングルス準決勝で第8シードの錦織圭(22=日清食品)がマルコス・バグダティス(27=キプロス)を6―2、6―2のストレートで破り、自身ツアー4度目の決勝進出を果たした。過去3戦3敗と苦手にしていた元トップ10の強豪を撃破し、08年2月のデルレービーチ選手権以来となる日本人初のツアー2勝目に王手をかけた。7日の決勝は第1シードのアンディ・マリー(25=英国)を破った第6シードのミロシュ・ラオニッチ(21=カナダ)と対戦する。

 鳴りやまない拍手と歓声に、右手を高々と上げて応えた。74年にツアー戦となってから、38年。ジャパン・オープンで日本人初の優勝に王手をかけた錦織は「これまで日本では苦しいプレーをしてきたし、結果も残せていなかった。でも、昨日(準々決勝)きょうと自分のベストのプレーができて、今までのどの大会よりうれしい」と声を弾ませた。

 06年には全豪準V、世界8位にランクされた強豪は、決して楽な相手のはずはなかった。事実、過去3戦は1セットも奪えず完敗。だが「けさ(3連敗を)知って、やばいと思った」と周囲を笑わせた22歳は、過去とは別人だった。第1セット第3ゲームをブレークすると、相手に流れを渡さず攻め続けた。終わってみればわずか1時間1分の快勝。「チャンスを見つけては前に出て、後ろからは何を打っても入る状態。ずっと攻め続けられた」と自画自賛した。

 好調の要因はリターンのさえだ。相手サービスをリターンで崩し、試合の流れをつかんだ。この日はサービスも好調で、相手に1度もブレークチャンスを与えず。「80~90点のプレーができた。自分でも正直、信じられない」とはにかんだ。

 風も吹いている。今年の全米を制した第1シードのA・マリーが準決勝で敗退。過去2戦2敗の最強ライバルが消えたことで、優勝のチャンスは広がった。過去に日本人男子でツアーを制したのは92年韓国オープンの松岡修造と08年デルレービーチ選手権の錦織のみ。決勝では、日本人初のツアー2勝目がかかる。

 ラオニッチとは過去に対戦経験がなく「ツアーの中でも一番サーブのいい選手だと思うし、前に出てくるのも早い」と警戒するが「冷静に、1つのチャンスを逃さずに攻めていければ」と前を見据える。07年、プロ転向を発表し、初めて臨んだのはこの舞台。わずか6年目でたどり着いた決勝の舞台へ「日本でプレーするのは多少重み(重圧)になってた部分もあったけど、決勝はたくさんの方に応援してもらいたいですね」と笑った。

 ▼バグダティス 自分のリズムを見つけることができなかった。(4度目の対戦で錦織に初黒星)過去の対戦は関係ない。きょうは錦織がいいスタートを切って、私が挽回するのが難しかった。

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2012年10月7日のニュース