10勝目懸けて“遼勇決戦”だ 最終日最終組で激突

[ 2012年10月7日 06:00 ]

18番、第3打となるアプローチショットが惜しくも入らずクラブを振り上げて悔しがる石川遼

男子ゴルフツアー キヤノン・オープン第3日

(10月6日 神奈川県横浜市 戸塚カントリー倶楽部西コース=7191ヤード、パー72)
 最終日最終組で“遼勇決戦”だ。石川遼(21=パナソニック)は13番パー5でイーグルを奪うなど66の好スコア。通算12アンダーで首位に2打差の2位に浮上した。池田勇太(26=日清食品)は68で回り、通算14アンダーで初日からの首位をキープ。2人が最終日最終組で激突するのは、ツアー競技では09年コカ・コーラ東海以来3年ぶり2度目。大会前の月曜日にテレビマッチで対戦したばかりだが、今度はともにツアー10勝目を懸ける。
【第3R成績】

 アテスト場に入るやいなや、石川はすぐにスコアカードを提出した。同スコアの場合、先にカードを提出した選手ほど後ろの組になる。グリーン脇で誤記のないことを確認しておき、同組の黄重坤に先んじて最終組に滑り込んだ。石川は「ラッキー」と言ったが、明らかに狙った行動だった。

 今大会では3年連続の最終日最終組。しかも、今回は池田と同組だ。月曜日のテレビマッチで久々に一緒にプレーした時には、「予選じゃなくて最終日最終組で」と話していたが、わずか6日後に現実になった。

 「いろんな場面で自分よりうまいなと思わされるけど、それでも戦いたい気持ちになる選手」。そんな池田との4打差を2打差に詰めた3日目。原動力となったのはパットだった。2番や16番では下りのパットを絶妙のタッチで沈め、13番パー5も「上って下って」の10メートルをねじ込みイーグルを奪った。

 今週からスワンネックの新パターを使い始め、ルーティンにも一工夫を加えた。それが構えた後に左目をつむって素振りする“一眼レフパット”だ。“二眼”ではなく右目だけを使うことで「ラインと平行に目線を保てる」という。「プロアマからやり始めて徐々に慣れてきた」。狙った方向に真っすぐに打ち出せる感覚が、安定したショットとかみ合った。

 10年の三井住友VISA太平洋以来約2年ぶりの優勝に向けて「心の色は徐々にきれいな真っ赤に近づいてきている」と自然と気持ちは高まってきた。池田が相手ならなおさらだ。「諦めずに我慢した先にそういう瞬間が待っていると思う。ぜひそれを味わいたい」。石川は気合のこもったまなざしで、遼勇対決の先にある歓喜の瞬間を思い描いた。

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2012年10月7日のニュース