吉田&伊調 五輪V3なら報奨金300→1000万円

[ 2012年7月8日 06:00 ]

08年の北京五輪でメダルを獲得した伊調(中央)、吉田(右)は3連覇なら報奨金が大幅アップすることに(左は浜口)

 ロンドン五輪でのメダルラッシュへ向け、日本レスリング協会が報奨金を大幅増額することが7日、明らかになった。従来は金メダルの300万円が最高だったが、女子55キロ級の吉田沙保里(29)、同63キロ級の伊調馨(28=ともにALSOK)が日本女子初の五輪3連覇を達成した場合、3倍以上となる1000万円まで上積みする可能性があるという。

 偉業に対する敬意が、日本レスリング協会を動かした。協会の幹部は報奨金の総額を約2000万円まで増額する計画が進んでいることを明らかにし「メダリストの数にもよるが、吉田や伊調が3連覇を達成した場合、それなりのものを」と最高で1000万円に達するボーナスを考えていることを示唆した。

 従来の報奨金は金300万円、銀200万円、銅100万円と、日本オリンピック委員会が設定しているものと同額だった。レスリングが五輪で獲得した金メダルは24個で、柔道、体操に次ぐ3位。銀、銅を含めたメダル総数の56個も4位で「獲って当たり前」の伝統が“見返り”の伸びない理由ともなっていた。

 だが、04年アテネ五輪以降、女子が正式種目に採用され注目度もアップ。競技の発展への貢献度も高く評価され、今回の動きにつながった。特にアテネ、北京五輪で2大会連続金メダルを獲得した吉田、伊調はメディアでも大きく取り上げられるなど、レスリング人気をけん引しているだけに、協会としては高額の報奨金で報いる方針だ。

 さらに、男子もグレコローマン、フリーの両スタイル合わせて北京五輪の1・5倍となる9選手が出場権を確保するなど、活力を取り戻している。協会では、ロンドンに出場する男女計13選手だけでなく、コーチ陣にも記念のリングをプレゼントすることも決定。Wニンジン作戦とも呼べる配慮でメダルラッシュを狙う作戦だ。協会幹部は「決して潤沢な資金があるわけではないが、選手たちは将来のレスリング界を引っ張る存在。協会が誠意を見せることで、競技の発展につながれば」と話している。

 【主な競技の五輪報奨金】

 ☆競泳 日本代表オフィシャルパートナーのGMOクリック証券が金メダル1個につき3000万円、銀メダルで300万円、銅メダルで100万円(リレーは4分割)の協賛社賞を贈る。他に、日本水連からも金200万円、銀100万円、銅50万円が出る。

 ☆陸上 日本陸連から金1000万円、銀600万円、銅400万円。コーチにも金300万円、銀200万円、銅150万円が支給。

 ☆体操 日本体操協会から金50万円、銀30万円、銅20万円。

 ☆卓球 日本卓球協会からシングルスの金1000万円、銀400万円、銅200万円、団体戦の金400万円、銀100万円、銅40万円。

 ☆バドミントン 日本バドミントン協会から金1000万円、銀500万円、銅300万円。

 ☆テニス 日本テニス協会からシングルスで金800万円、銀400万円、銅200万円。ダブルスは同額を2人で割る。

 ☆自転車 複数の関係団体から報奨金が出る。競輪選手会からは金3000万円、銀2000万円、銅1000万円。

 ☆柔道 全柔連からの報奨金はなし。

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2012年7月8日のニュース