「20歳でマスターズ優勝」遼の夢に親友が激励

[ 2012年4月5日 06:00 ]

練習ラウンドの12番でティーショットを放つ石川遼。右は松山英樹

USPGAツアー マスターズ

(4月5日 米ジョージア州 オーガスタ・ナショナルGC)
 今季メジャー初戦のマスターズは5日、米ジョージア州のオーガスタ・ナショナルGCで開幕する。4年連続4度目の出場の石川遼(20=パナソニック)にとって、小学生の頃に抱いた「20歳でマスターズ優勝」という夢に挑む今大会。開幕を前に当時の親友からも激励の言葉が届いた。3日には松山英樹(20=東北福祉大3年)と一緒に3日連続で練習ラウンドを行い、予選ラウンドのペアリングも発表された。

 8年前に書いた夢への挑戦が始まる。「やり残したことはない。できる準備は全部やった」。開幕2日前の練習を終えた段階で早くもそう言い切った石川の声は、気合と自信に満ちていた。

 「二十歳、アメリカに行って世界一大きいトーナメント、マスターズ優勝」。今では有名になった卒業文集の作文は1人の友達がいなければ形にならなかった。「サッカーが好きな友達がいて、お互いに夢の大きさを競い合って書いていた」。同じ幼稚園に通い、小学校でも同級生。「きょっちゃん」「いっちゃん」と呼び合っていた幼なじみの冨永恭平さんだ。

 作文を書いている途中で、石川は冨永さんのをチラ見した。そこにはサッカー選手としてステップアップしていく夢が年齢ごとに具体的につづられていた。それを見て「年齢で区切ってるのが凄い」と感心。同じ形式を拝借して、自分は最後にマスターズ優勝の夢を置いたのだった。

 冨永さんは高校まではサッカーを続けていたが、現在は専門学校に通い、自動車整備工を目指している。卒業文集が話題になった時には「懐かしいな」と思い出したという。「書いている最中はお互いにちょこちょこ見てました。最後は自分が遼くんのを見て、最終的な夢を日本代表に変えたんです。あの時は遼くんに聞かなかったけど、“マスターズって何だろう?たぶん凄いことなんだろうな”と感じたからです」

 別の中学に進学し、離ればなれになると次第に縁遠くなっていったが、冨永さんは石川がツアー優勝してからゴルフ中継を見て応援するようになったという。「小学校から積み上げてきたんだから凄いと思います。優勝してくれるんじゃないですか。ここまで文集通りに来てるんで。あとは、うちのおばあちゃんがサインを欲しがってるんでよろしく」

 あっさりと大きな期待を懸けられた石川は「みんなそんな感じなんだよね」と少しうれしそうに笑みをこぼした。予選ラウンドはマスターズ優勝経験を持つフレッド・カプルス(52=米国)と、昨年全英オープン覇者のダレン・クラーク(43=英国)のベテラン勢と同組。「(3人の中で)経験は自分が一番少ないかもしれないけど、試合になれば実力差だって気にしない」と気持ちはすでに定まっている。夢への挑戦はどんな結末を迎えるのか。親友もその行方を楽しみに見つめている。

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2012年4月5日のニュース