福島のアンカー“元祖山の神”今井 志願の出場で7人抜きの力走

[ 2012年1月22日 18:48 ]

全国都道府県対抗男子駅伝で、「ふくしまは負けない」と書かれたたすきを胸にゴールする福島のアンカー・今井正人主将

全国都道府県対抗男子駅伝

(1月22日 広島市平和記念公園前発着の7区間48キロ)
 22日に広島県で行われた全国都道府県対抗男子駅伝で、実家が東日本大震災で被災した福島のアンカー今井正人主将(27)=トヨタ自動車九州=が7人抜きと力走した。今井選手は「ふくしまは負けない」と書かれたたすきを胸にゴール。「僕だけでなく、チーム全体で諦めない走りができた」と充実感に浸った。

 福島県の原町高で本格的に陸上競技を始めた。南相馬市の実家の1階は津波の被害を受けた。東京電力福島第1原発事故の警戒区域内でもあり、両親は茨城県で避難生活を強いられている。

 「福島に育ててもらった。走ることで何かを伝えられたら」――。今井選手はロンドン五輪の代表選考会を兼ねたびわ湖毎日マラソンを3月に控える中、出身高校など所在地からエントリーできる「ふるさと制度」で3年ぶりの出場を志願した。

 今井選手と同じく東京箱根間往復大学駅伝の山上りで活躍し、被災地へ同じ思いを抱いていた東洋大のエース、柏原竜二選手は故障で欠場した。チームは34位と伸びなかったが「これからも福島という誇りを持って走りたい」と述べた。

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2012年1月22日のニュース