魁皇破り7連勝!琴奨菊、大関へまた前進

[ 2011年7月18日 06:00 ]

魁皇(右)を寄り切りで破る琴奨菊

大相撲名古屋場所8日目

(7月17日 愛知県体育館)
 大関獲りを狙う琴奨菊が、同じ福岡県出身の魁皇を破り7連勝。“郷土の英雄”から貴重な白星を挙げ昇進へ一歩前進した。白鵬は安美錦を寄り倒し、日馬富士も上手投げで隠岐の海を下し、ともに全勝をキープした。1敗で把瑠都ら5人が続いている。

 左四つ万全の体勢で魁皇を寄り切った琴奨菊が、息を切らしながら西の花道を引き揚げていく。その視線の先に父・一典さん(55=建設業)の姿があった。父と拳を合わせ、憧れだった郷土の英雄から奪った白星の喜びを分かち合った。

 「上手を与えないことと小手投げを怖がらないこと。テーマ通り自分の相撲が取れたんで、良かったです」。取組前の館内は割れんばかりの魁皇コール。そんな中で一典さんと明徳義塾高時代の相撲部監督だった浜村敏之氏は、精いっぱいの声援を送った。初場所千秋楽以来の観戦となった一典さんは「穏やかな顔を見て、やってくれると思った。大丈夫でしょう」と安どしていた。

 6月の幕内上位20人が参加した東日本大震災被災地の巡回慰問で、魁皇に「力がついているんだから自信を持っていけ」と励ましの言葉をもらった。この日の勝利は、ただ1人の日本人大関として満身創痍(そうい)で土俵に上がり続ける郷土の先輩へ“恩返し”の白星でもあった。「魁皇関に勝ったんで残りをしっかりいきたい」。昇進に必要な白星はあと5つ。このまま突っ走る。

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2011年7月18日のニュース