遼“サムアップ素振り”でパットの感触戻った!

[ 2011年6月15日 06:00 ]

パターを打つ際、右手親指を一瞬立てる石川(撮影・青木芳治通信員)

 男子ゴルフの海外メジャー第2戦、全米オープン(16日開幕、メリーランド州コングレッショナルCC)に出場する石川遼(19=パナソニック)は13日、インの9ホールを回り、国内2戦連続予選落ちの一因となったパッティングの修正に着手した。右手親指を立てた状態で行う“サムアップ素振り”で体で打つ感覚を取り戻し、メジャー仕様の難グリーンに立ち向かう態勢を整えた。

 思いついたことは、すぐにやってみる。石川がパッティングの際に今まで見せたことのない動作を入れた。まずは右手の親指を立てたまま素振り。それからグリップを正常な形に戻して打つ。右手をサムアップポーズのような形にすることで、体を使ってストロークする意識を自らに植え付けた。

 「手のひらの感覚を大事にしたくて。指で握って指で動かすとぶれやすい。手のひらとフェース面がバラバラにならないようにするためです」

 今回のようにユニークな素振りはこれまでもある。両手のひらを合わせて持つ“合掌素振り”は5月のとおとうみ浜松オープンの大会前に取り入れた。手に力が入らない形にして体を使うのが共通点だが、そのとおとうみ浜松オープンはプレーオフで1・5メートルを外して優勝を逃してしまった。

 ダイヤモンドカップではライ角を2度上げたパターも試したが、特効薬とはならずここから2試合連続で予選落ち。大会ごとの1ラウンド平均パット数はダイヤモンドカップが30で、日本ツアー選手権が32の数字が示すように試行錯誤は今も続いている。それでも、渡米前の栃木県内の合宿を経て、パットの状態は「徐々に良くなっている」と復調気配。この日のラウンド中にひらめいた“サムアップ”は、その感触をより確かなものにするのが狙いだった。

 米国出発前の8日に、取得した国際免許証が無効と知らずに乗用車を運転していたことが明らかになった。ショックは大きかったものの、今は「切り替えるしかない」と目の前のメジャーに集中している。インの9ホールで、1Wは6度握り、フェアウエーを外したのは1度だけとショットは上々。パットの不安を振り払い、笑顔のサムアップポーズを決めることができるか。

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