美しく強く…“注目カー娘”市川美余、中部電力主将に

[ 2011年6月15日 06:00 ]

笑顔が魅力の市川美余

 今季のカーリング女子日本代表となった中部電力が14日、長野・軽井沢で初めて練習を公開した。今季は“美し過ぎるカーラー”として人気の市川美余(21)が主将に就任。2月の日本選手権初V以来、約4カ月ぶりに公の場に登場したチームは、フィジカルコーチに師事し、パワフルなチームに変貌途上。14年ソチ五輪に向け、世界初挑戦となる11月のパシフィック選手権(中国)での活躍を約束した。

 初めて公開された練習に集まったマスコミ19社の前で、市川が力強く抱負を語った。「日本代表になったことで、かなりモチベーションも上がったし、世界に通用するチームにならなきゃ、という思いが強くなった」。28日に22歳の誕生日を迎える、若きチーム最年長。今季から就任した主将という肩書に「ゲームの方向性を決めるのはスキップ(藤沢)。私は連絡係みたいなもん」とはにかんだが、大きな瞳には闘志があふれていた。

 近年代表の座に君臨してきたチーム青森や、“マリリン”こと本橋麻里率いるロコ・ソラーレとの激闘を制し、初の日本一に輝いてから4カ月。創部3年目のチームづくりは、変化しつつある。男子日本代表も指導していた長岡はと美氏(58)が正式にコーチ就任。男子並みのパワーを求め、4月からは鵜沢将司フィジカルコーチ(37)もチームに加わり、体幹強化に効果のあるピラティスも取り入れた。

 その効果はすでに表れている。市川は「太腿が太くなって、ウエストが引き締まった」と体の変化をアピール。先月の軽井沢ハーフマラソンでは、昨年のタイムを一気に30分短縮し、2時間16分で完走したという。鵜沢コーチは「スイープもデリバリー(ストーンを投げる動作)もいろんな動きが求められる。シーズンに入れば効果は出てくる」と自信を見せた。

 環境も整った。中部電力の各支店で勤務している5人だが、日本代表になったことで、練習時間が一定となるように職場も協力。さらに、通年リンクの開業を控える軽井沢には今年から試験リンクができたため、早くも氷上練習を開始している。和田博明監督(45)が「今年のテーマは安定供給!!電力もストーンも」と語気を強めたのも、手応えの表れだ。

 日本代表として臨む今年11月のパシフィック選手権(中国)は、上位2位に入れば、ソチ五輪の出場権獲得レースが始まる来年3月の世界選手権(カナダ)の切符が得られる重要な大会。その世界選手権代表は来年2月の日本選手権(青森)の優勝チームが優先となるが、市川は「国内で追い越されたくないけど、今はパシフィック選手権で世界を追う気持ち。どのくらい戦えるか楽しみです」と目を輝かせた。

 ≪代表初陣は8月≫日本代表として初めての国際大会は8月のニュージーランド・ウィンターゲームス。同大会には11月のパシフィック選手権のライバルとなる中国、韓国に加え、カナダなど強豪も参加予定だ。また、10月には北米で行われるワールド・カーリング・ツアーに参戦予定。大一番となるパシフィック選手権に向け、積極的に経験を積むことになる。

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