野球賭博で元力士ら4人逮捕も…協会「ケリつけた」

[ 2011年1月27日 06:00 ]

 大相撲の野球賭博事件で警視庁は26日、力士らから賭け金を集めたなどとして賭博開帳図利容疑で元十両「古市」の古市貞秀容疑者(34)と母の米子容疑者(63)、元幕下「松緑」の藪下哲也容疑者(29)を逮捕。同ほう助容疑で元幕下「梓弓」の山本俊作容疑者(35)を逮捕した。警視庁は同日、関係先を家宅捜索。客の力士らも近く賭博容疑で書類送検する。

 捜査関係者によると、山本容疑者が野球賭博を数年前に部屋の力士らに広め、その後、客として参加していた古市、藪下両容疑者が胴元役をするようになった。米子容疑者は賭け金管理の「会計役」で、山本、藪下両容疑者と古市容疑者親子のルートでそれぞれ客の注文を受けていたという。

 一連の事件では賭博の客だったとされる元大関琴光喜(34)に口止め料を要求したなどとして元力士で古市容疑者の兄の満朝被告(38)らが恐喝容疑で逮捕、起訴されたが、賭博行為そのものでの立件は初。しかし、発覚から8カ月余りたった現在も、背後にいたとみられる暴力団の関与については解明が進んでいない。

 これまでの捜査で山本容疑者らのほかに横綱白鵬らを担当した元トレーナーも野球賭博の「窓口」だったことが判明。元トレーナーの立件は見送られる見通しだが、いずれも暴力団関係者と連絡を取っていた形跡がある。山本容疑者は任意の調べに「指定暴力団山口組系の組長が胴元だった」と供述し、被害者と認定された恐喝事件の公判では「収益を胴元の口座に振り込んだ」と証言。だが、胴元とされた組長は既に死亡し組も解散。警視庁は、押収した力士らの約50台の携帯電話を解析するなどしたが、暴力団とつながる手掛かりは得られていない。

 ▼日本相撲協会・放駒理事長(元大関・魁傑) 協会としては協会の処分をしている。逮捕は残念だが、私がとやかくコメントしたくない。(今後新たな協会員が書類送検された場合については)まだ考えていないし、答えられない。協会としてはすでにケリをつけている話。

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2011年1月27日のニュース