親方賭博認めた…大嶽部屋消滅も

[ 2010年6月18日 06:00 ]

大相撲の野球賭博問題で頭を下げる大嶽親方(左端)

 大相撲の賭博問題で、大嶽親方(42=元関脇・貴闘力)が警視庁の事情聴取を受け、野球賭博への関与を認めたことが17日、明らかになった。同親方はこの日、相撲協会の聴取を受けてから東京都江東区の大嶽部屋で会見して謝罪。力士を育てる立場の親方が賭博に関与していたとなれば厳罰は必至で、大嶽部屋は消滅に追い込まれる可能性が出てきた。警視庁は今後も野球賭博を認めた29人を順次聴取し、賭博容疑での立件も視野に入れているという。

 大嶽親方が16日までに行われた警視庁の事情聴取に対し、野球賭博への関与を打ち明けていたことが発覚した。午後4時50分、東京都江東区の大嶽部屋前で会見し「このたびはお騒がせして申し訳ありません」と何度も頭を下げて謝罪。「相撲協会と警察の方々に全部委ねているので自分からは何も言えません。言える時期が来たら、必ずお話しします。自分はここ(大嶽部屋)の人間なので逃げも隠れもしません」と話したが、弟子たちへの思いを問われると「親御さんに心配をかけているので、連絡を入れています」とうなだれた。
 大嶽親方はこの日発売の週刊新潮で、幕内・豊ノ島とともに暴力団関係者を胴元とする野球賭博に関与していたと報じられた。午後には両国国技館で約1時間、相撲協会の事情聴取も受けた。聴取の詳細は明かされなかったが、相撲協会生活指導部の八角広報副部長(元横綱・北勝海)は野球賭博を認めたことについて「指導する立場の人がそうなるのは残念です」と遺憾の意を示した。
 相撲協会は先月、暴力団関係者との過去の交際が発覚した木瀬親方に対し、2階級降格と木瀬部屋閉鎖の処分を下した。野球賭博に関与したとなると今回も厳罰処分は必至。大嶽部屋が閉鎖となれば、三段目の右肩上(みぎかたあがり)ら力士6人は、北の湖部屋へ転属した木瀬部屋の力士らと同様、他の部屋への移籍を強いられる。

 大嶽親方は現役時代に元横綱・大鵬の納谷幸喜氏(70)の娘婿となり、引退後は大鵬部屋を継承。弟子の露鵬が06年にカメラマン殴打事件を起こしたほか、08年には大麻に陽性反応を示して解雇となり、自身も2階級降格処分を受けるなど管理能力が疑問視されていた。一方、賭け事好きも有名で、特に野球賭博に関与したことを認めた大関・琴光喜とは、豊ノ島とともに親しかった。
 警視庁は今後も、相撲協会のアンケートで野球賭博への関与を認めた親方ら29人を事情聴取し、賭博容疑での立件も視野に入れている。29人の中には複数の親方がいるとされており、大嶽親方以外の名前も出てくれば角界は危機的状況に陥る。

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2010年6月18日のニュース